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2005年11月10日
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カテゴリ:日常生活

フランスの暴動で暴れている青少年達に対し、鎮圧するだけでなく、今後彼らに対して救済策を打ち出さなければいけないという話も当然されているわけだが、そこでド・ヴィルパンが7日に打ち出した驚きの対策(まだ実行段階には入ってはおらず、具体的なことはなにも発表されてないようですが)。

「義務教育の年齢を現在の16歳から14歳に下げる」

より正確には「学校に行きたくない子には14歳から見習い就業を可能にする」

(フランス語の読める方用にドヴィルパンの言ったことの引用。こうできるようにしたいとのことです→ "de pouvoir proposer l'apprentissage des 14 ans a des enfants qui, visiblement, n'ont pas le gout, n'ont pas l'envie ou qui ont quitte l'ecole")

ド・ヴィルパンも随分思い切ったものだ。
一瞬「えっ」と思ったがよく考えると納得のいく対策である。

暴徒たちの殆どは、勉強する気も失い、既に学校にも不登校の少年たちだ。
学校に来ないから時間はあるけどお金もないので、つまらない。
マクドナルドで働こうと思ったって16歳未満だと働けない。

こうした少年たちが、街で徒党を組んで悪さをするよりも、もっと早くから職業訓練をしながら働き始めることができるように、ということなのである。これを可能にするには、もちろん労働法なども改正しなくてはならない。

1960年代以降、義務教育レベルを上げることが底辺層の生活の向上につながるとずっと信じられてきた。実際、フランスの教育は、最初から最後まで公立と国立で通せば確かにかなり安上がり。貧しくてもバカロレアをとり、大学を出ることは大変ではあっても不可能ではない。

だがフランス白人ですら普通に大学を出ても就職することができない人がわんさかいる現状で、苦労して大卒になることにどれほどの意味があるのだろうか。

一般には、お金をもたらしてくれる職とつながった学歴を身につけるには、日本と同様、フランスでもやっぱりそれなりにお金がかかる。本人が物凄く優秀で環境が貧しくても一人で勝手に勉強して授業料免除や奨学金を取りまくりながらどんどんグランゼコールに行ってしまった場合などはまた話が別であるが、やっぱりこういう人は現実に存在はしていても、どちらかといえば少数派だ(知的にも経済的にも貧しい家庭に生まれ育って、幼稚園から高校まで全部地元の公立校で、塾にも全く行かなかった人が東大に現役合格するぐらいの割合、とイメージすれば分かりやすいと思う)。

また、フランスの学校教育は、日本の学校と違い、基本的には、生活面(ミシンの使い方や日曜大工のやり方など)・モラル面・情操面の教育がない(関連:「 フランスに家庭科の授業は無いらしい?」)。それこそ、フランス語だの数学だのといった、お勉強が全ての世界だ。日本の学校のように「算数だの国語だのは嫌いだけど図工や体育が楽しみだから学校に来る」なんてことはきっとないのだろう。
 生活面モラル面情操面の教育は各家庭にまかされており、そのために水曜日が休みなわけだが、実際に水曜日に家庭で教育しているうちは、今回暴動が起きているような地区では一体どのくらいあるだろうか。習い事に行かせている家では一応それが情操教育になっているのだろうが、今回問題になっているような子たちの家庭が習い事にやるようなお金や心構えがあるとは思えない。街でふらふらするだけだ。

 つまり、フランスの学校は、子ども本人にフランス語だの数学だのといった学科のお勉強を続ける気が全くないのなら、その子にとっては来る意味があまりない場所だとも言える。

下手すると今まで「非行少年層」だったものを「文盲層」にまで引き下げるリスクもはらんでいるド・ヴィルパンの案だが、時間とエネルギーをもてあましていて学業にも興味ない青少年が、年齢のためにまともに労働することもできず、遊ぶ金ほしさに窃盗を働いたり麻薬の取引をしたりするよりは遙かにましだろう。

ただ、この案には一つ大きな穴があると思う。

それは学校をドロップアウトした思春期の扱いにくい年頃の子どもを合法的に雇ってくれるところがどれほどあるのか?ということ。全員がファーストフード店でバイトというわけにもいかないだろう。今後、おそらく学校に戻ることがない彼らには手に職がつくようなタイプの仕事のほうがいいだろうし。「
それに、フランスというのは、日本などおよびもつかないほどの、ものすごい職能学歴社会。職種に対応した学歴がないとその職にはつけないことが多くなっているし、その傾向はますます広がっている。「企業が人材を育てる」という習慣のない現在のフランス企業は、ホワイトカラーの職業だけでなくブルーカラーの職人仕事や肉体労働についても免状や資格を求めるところまで来つつある。町の小さな修理工などは、徒弟をとるときに免状や資格を求めないが、こうした家族経営レベルの小さな修理工は、家族以外はノワール(闇)でしか雇う余裕がないところが殆どだ。

このへんは一体どうするのかと思うが、まだ余り具体的なことは打ち出されていないようなので、毎日楽しみに新聞を見ることにしよう…。





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最終更新日  2005年11月12日 06時04分21秒
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