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カテゴリ:日常生活
エマニュエル・トッドは(まだソ連が崩壊してない70年代に)ソ連の崩壊を予告した社会人類学者・人口統計学者である。各国の移民事情についてもいろいろと研究している。
そんなトッド氏、今回の暴動であっちこっちにインタビューで引っ張りだこだが、11月12日のル・モンド紙でもインタビューに答えている。 http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3226,36-709613@51-706775,0.html 結論から先にいうと、ソ連やアメリカについては崩壊を予告するのが大好きなトッドさんなのに(ソ連のはあたったけど)、自分の祖国フランスについては比較的楽観的な見方(と私は思った)。 トッドさんはフランス社会指導者層から離れていく3つの層について言及している。 これら3つの層は、必ずしも普段から何についても意見を持っている人たちではないため、普段の世論調査などではなかなか姿を現さない。何かの出来事があった時に、突然意見を持って姿を現し、指導者層(フランスを導いていく政界実業界のエリートたち)をびっくりさせちゃうのだ。 普段はろくに新聞すら読んでないのに、今回みたいなお祭り騒ぎがあるといきなり関心&意見を持ってしまう、私やあなたのような人がフランスにも多いということだ。 1.2002年の大統領選
2.国民投票での欧州憲法否決
3.今回のフランス各地の暴動
3つのカタストロフィーの首謀者である上記3つの層は、指導者層に対し反目している点が共通事項だとトッドはいう。しかし3つの層が手をつなぐことはない。 保守庶民層と郊外の移民系若者層は、政治的経済的には同じレベルに属するが、歴史的文化的には違う拝啓からきている。保守庶民層と新中流階級は、両方とも国民投票で欧州憲法にノンと投票したが、前者は、既に現実に起こっている状況(失業・低賃金化)に怒ってノンと投票したのに対し、後者は現状維持して自由競争から免れるためにノンと投票している。 この3つの層の中で、「(保守庶民層+新中流階級)vs貧しい移民系若者」という反目関係はないのか?という質問に対し、トッドは、「ないと思う」と答えている。 トッド氏は今回の移民系若者の暴動は「社会からのけ者にされることを拒絶」するものであり、移民の子ども達がフランス社会の根幹をなす価値観(たとえば「自由、平等」など)を多かれ少なかれ自分のものにしているからこそ起こっていることなのだ!という。 まあ、そりゃそうだ。アブデルさんの「故郷(アルジェリアやモロッコなど母国の)なら父親が自由に躾できるのに、フランスでは子どもを躾のためにぶったりすれば、子は警察に行く」という言葉を思い出した。たしかに、普段は警察が来ると「権力の犬め」と物を投げつけるくせに、父ちゃんに「こらっ」とぶたれると「えーん児童虐待だよー子どもの人権侵害だよー」と警察にかけこむ小ずるい姿は、完全にフランス人そのものだ(笑)。 (中途半端だけどこのへんで寝ることにして、多分続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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