|
カテゴリ:仕事
麻生大臣は非常に面白い。記者会見も相当面白く、でも、分かりやすい。ODAについて、記者クラブで演説したのも面白かった。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/18/easo_0119.html まず、自分の経験から入る。 「実は私、西アフリカのそのまた西の端にあるシエラレオネという国で、昭和45年から2年生活したことがあります。・・・私の実家というのは元は石炭の山を掘っておりました。シエラレオネでは、ダイヤモンドを掘れという命令です。・・・・・自分で水を汲んで風呂を炊き、発電機を動かして電気を起こすという、協力隊の諸君がしているような生活を送りました。」 これは、人の心をつかみますね。 「吉田茂の孫=恵まれた生活をおくったに違いない」という固定観念を崩し、「アフリカも知っているんだ」と強い印象を与える。 それから、まず、労働を賛美する。 インドの地下鉄案件については、 「便利になったということもあります。しかしそれ以上にインドの人たちが強調するのは、この地下鉄建設に関わった日本人達が、日本の勤勉な労働姿勢を首都のど真ん中で見せてくれたことだと言います。安全ルールを遵守しながら工期を守るその責任感。そしてただやりっ放しにせずその後もずっと協力しようとして汗を流しているその姿勢。」 青年海外協力隊についても、 「行ってみると彼ら協力隊の若者は、実に屈託なく働いている。幸せそうで、ちょっと拍子抜けするくらいです。颯爽とした彼らに、私はいつも頭が下がる思いがした。苦労を苦労と思わない、働くことを善とする美しい日本人を、何人も見た気がしたものです。」 ここから、国益論につながります。 「このような意味で、ODAとは立派な日本文化の輸出であります。だから私は言うのです。小切手外交、大いに結構。日本にカネがある今のうち、どしどし小切手を切ろうではないか。なぜなら日本の小切手には、日本人の汗が一緒についていく。働いて、自らの運命を我がものにすべしという、力強い励ましが、セットになってついていく。即ち日本独自の労働思想というものを、売り込む手段であるからです。」 「つまりODAとは、「自分にとって好ましい国際環境を作り、最終的には、より良い国際社会を形成していくための、政治的政策手段である」と捉えるべきものだということです。」 「以上を言い換えますと、我が国のODAとは、日本と志を同じくする諸国の結束を育て、伸ばしていく、つまり、一種の政策連合をこしらえていくとか、日本の繁栄を支えてくれる他国の安定を促すといった目的にこそ、今後どしどし使われていくべきものなのです。 」 どれも、一般国民にとても分かりやすい、かつ受け入れられやすい論調。さすが政治家だと思いました。 ちなみに、実施体制については、 「ODAの持つ高度な戦略性に鑑みて、総理の強い指導力の下、日本が対処すべき最も大事な国際課題のためODAをどう活用すべきか、大局的見地に立って議論する集まりが欲しいところです。」 と述べていて、やはり政治主導を強く示しています。 演説のシメは、 「(協力隊員について)そんな彼らが、お土産に何をいちばん欲しがったと思われますか。漫画、です。これは私には、願ったりでして。自分が漫画ファンだから、なんのことはない。自分が読もうとしこたまカバンに詰めて持っていったのを、そのまま差し上げてきたというわけです。これが喜ばれたのなんの。」 人間味あふれる演説にして終了。 内容はともかく、学ぶところがあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[仕事] カテゴリの最新記事
|