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カテゴリ: (07冬)
今日はもう一つハマったドラマ「白夜行」について。
しょーじき、セカチューコンビってことぐらいしか 情報もってなかったんだけど、あらすじみたら なんだか面白そうってことで見始めちゃったんだよね。 山田孝之くんは、妙に暑苦しい演技のときもあれば もそーっとした感じの演技もあって 今回はもそーっという方かなって思ってたんだけど またちょっと違う一面が見えた気がする。 毛深いのがちょいと苦手なので、無精ひげはやめてほしいのだけど 悪事を重ねていくなかで、途中、雪穂にすべてを捧げると 決心したあたりから、何かをふっきってしまってでも それは単になげやりにあったというのとも少し違って その微妙な心理をすごくうまく表現していたと思う。 雪穂のために、雪穂に光を返してあげるために 亮司は手を汚していく・・ でも結局はそれが雪穂に「幸せにならなければいけない」という 枷をはめ、「幸せにならなければならない」という罰を与えることになる。 幸せに生きなければならない=罰 こういう式をなりたたせてしまったこのドラマはすごいなって思った この山田くんの演技を、綾瀬はるかもまた見事に受けていたね。 汚れ役でもあるこの役柄をうまく演じたなって思った。 ちょっと物足りないと思うシーンもいくつかあったけど ほかの女優さん、思い浮かばないし。 幼い時に、その境遇に歪められてしまった魂を 亮司という太陽を糧に、歪みを逆に支えとして生きてきた雪穂。 「太陽の下を二人で歩きたい」 この唯一の望みを叶えるため、時には亮司の気持ちを操るかのような 悪女として振る舞いながら、必死に生きていく。 11歳の雪穂のために、雪穂に性的虐待を加えていた 自分の父親をはさみで刺し殺してしまった同じ11歳の亮司。 その亮司から、はさみをとりあげ、ニコってほほえむ雪穂。 そして一言「わたしがやったんだよ」 (このシーンの福田真由子ちゃんの演技はすばらしい) その後、亮司に向けられた疑いの目を背けるため 母親を犯人に仕立て上げて、自分との無理心中を装って 母親を殺してしまう雪穂。 「親を殺してまで手に入れた人生」だから 簡単には捨てることはできない。 幼き日の犯罪を隠すために犯罪を重ねていく亮司のためにも 捨てることのできない人生。 原作では雪穂と亮司の心理描写が全くないらしく ドラマが描いたものは全くのオリジナルらしいんだけど 原作を読んでないあたしにはかなり胸に響いた。 この二人を執拗に追い続ける刑事・笹垣を武田鉄矢が演じたんだけど 最初は金八先生と全く違うキャラクターで凄みと怖さを感じて おお!!って驚いた。 でも、後半はもうさすがと唸るしかない演技の数々。 他にも図書館の司書役の余貴美子、雪穂の2度目の母親役の八千草薫 亮司の母親の愛人の渡部篤郎と脇役もむちゃくちゃ良かった! このドラマは毎回、印象に残る台詞があるんだけど 以下、抜粋。 (それが原作にあるのかどうかは知らないけど) 「・・・マジ?だからさあ、俺誰にも言わなかったじゃん!! あのことだけは…もう…ひどいよ亮ちゃん…」 <私生児として生まれ、子供の頃から要らなかったと言われ続けてきた 松浦。だが松浦はそんな自分と亮司を重ねてみていた部分があり 亮司が父親を殺したことを知っていながら黙っていた。 しかしそのことをネタに松浦に利用されていた亮司はついに 松浦殺害を決意。 亮司から「あんたなんかいない方がよかった。もう死んで」と 言われ、刺されてしまうシーン。> 「どうか子どもたちに 本当の罰は心と記憶に下されると伝えてください。 飲み込んだ罪は魂を蝕み、やがて、その体さえ 命さえくらい尽くす。 どうか、その前に どうか、親たちに伝えてください。」 <亮司が子供の頃に利用していた図書館の掲示板に書き込んだメッセージ> 「あの子はまだダクトの中にいる 閉じ込めたのは 私。そんな人生しかあげられなくてごめん」 <亮司が父親を殺した時に使ったダクトをふまえて。 亮司が犯罪を重ねていったことを知りながら何もできなかった自分を 責めて自殺した、亮司の母親が残した遺書> 「あの子達、あんなに信号送って来てたのに、私が気づいてやれなかった。」 <子供の頃、二人を見守っていた図書館の司書さんが 元刑事である笹垣から二人が犯した数々の犯罪について聞かされ ショックを受け、当時の二人の様子を思い出し、悔やむシーン> 「同情しちゃいけません。人殺す知恵あんのに自首する知恵ないはずがない。 人だます計算できんのに、人の人生が想像できんはずがない。 あいつらわかってやってきたことなんです。 共に責めを負う者がおるとしたら、それは私ですわ。 あの日、あいつらを捕まえてやれんかった私ですわ」 <自分を責める司書さんに対して答える笹垣の台詞> 「アイツが創ったノートは俺達の道のりだった その足で追い掛け その手で書き記し どれだけの時 アイツはその目で俺達を見つめ続けたのだろう そのノートはアイツの血と肉で出来ていた だからこんな殺し方をしてはいけないと思ったんだ せめてアイツの血と肉に塗れて殺したかったんだ」 <自分たちを追い続ける笹垣を殺すため、青酸カリガスをトイレに 仕込んだ亮司。部屋で見付けた笹垣のノートを持ち出し屋上で読む。 幽霊のように誰にも気付かれずに生きてきた自分たちの人生を 見つめ続けてきた笹垣の存在に涙する。この後、亮司は青酸ガスの 仕掛けを回収すべく笹垣の部屋に戻り、逆に自分が吸ってしまう。 また部屋に戻ってきた笹垣にナイフをかざすが未遂に終わる> 「俺がよう知ってる。間違いだらけやったけど、ひとりの人間を幸せにする為に お前が必死だったことは。」 「お前の子供にそれは俺が伝えたる。」 <笹垣が、亮司にかつて亮司が青酸カリを手に入れるために 付き合った女性が彼の子供を出産したことを告げ その子供のためにも自首するよう亮司を説得するるシーン。 亮司は自分がしてきたことを理解してくれた人間(笹垣)がいたことで 救われた気持ちになり、この後、自殺> 「人生を捧げられた人間より、捧げられた人間の方が辛いのかもしれない。 何をしても幸せにならなきゃいけない人生なんて、生きること自体、 罰みたいなもんじゃないか」 <亮司の死後、さらに嘘を重ねてすべての犯罪を隠しきった雪穂。 しかし亮司を失った雪穂は事業は失敗するなど全てを失い 抜け殻のようになってしまう> そしてこのドラマのタイトルでもある白夜についての台詞。 「私の上には太陽なんてなかった。いつも夜だったから。暗くもなかったけど。 太陽に代わるものがあったから。 明るくはなかったけど、歩いていくには十分だった」 白夜っていう言葉がもつイメージって 何か神秘的な感じがして、ロマンチックな響きさえ持ってると思っていたけど このドラマをみて、だいぶ印象が代わってしまった。 どうかどっぷりこの世界観にハマってみてほしい作品です。 ↓白夜行 http://www.tbs.co.jp/byakuyakou/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 29, 2006 01:32:09 AM
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