『冬ドラチェック!華麗なる一族 最終回』
最終回の感想、書くの難しいぃ・・・すごく長くなってしまいました・・・・ごめんなさいえー、とりあえず1時間15分までのシーンについて。 銭高さんの発言により、形勢有利となったはずの阪神特殊製鋼だったけど大介の巧妙な作戦によって、高炉建設はもちろん会社そのものから去らなくてはならなくなった鉄平。万俵家を去り、阪神特殊製鋼を去り、全てを失った鉄平だったけどそれでもなお、大介になんとかしてくれないかと頼み込む。そして、この二人が交わす会話が、鉄平の生きる意志すら奪い去ってしまう。自分の父親と妻の間に出来た不義の子。自分の子供でもないのに育てなければならない、愛さなければならない。それがどんなに辛いことか・・・・だけど鉄平「ぼくが生まれてこなければ・・」大介「正直そう思うことがある。おまえが爺さんの子でなかったらわたしも違う人生を歩んでいたかもしれないと・・・」自分が生まれた意味を問う鉄平に対し、こんな答えを返してしまう大介。大介の苦悩はわかる。けれど鉄平はその事実を知らない。父親がなぜ自分と弟とでは違う態度をとるのか。なぜ自分には微笑みかけてくれないのか、その理由がわからない。事実(とはいっても確証があった訳じゃないのにね)を知っていた分大介の方が辛かったかもしれないけど、訳もなく父親に疎まれ続ける息子の辛さを理解できないわけがないだろうに・・・大介は言う。「そんなおまえには同情するが、わたしも苦しんだんだ。どんなことがあっても、この苦しみは一生消えない」同情する ってどういうこと?あたしはこの言葉で、大介に怒りを感じてしまった・・・あたしてっきり、「おまえには悪かったと思うが、わたしも苦しんだんだ。」そう言うと思ったのに・・・高炉建設の話とか銀行合併とか、ビジネスの面では鉄平のやり方、鉄平の考え方には疑問を持つことは多々あったし、大介のやり方もけして大手をふって認めるのは難しいけどそれでも一企業家として、彼なりの信念はあったのかと。そう思って、大介を批判することはしてなかった。けど、この「同情する」って言葉には本当にみじんも鉄平に対する思いやりも、愛情の欠片さえ感じられない。たとえ心の底から愛せることはできないにしても鉄平が生まれたときから今までの何十年もの月日には、二人の間に流れた時間には、なんの意味もなかったのかって・・・そして、鉄平の生きる力を根こそぎ奪ったこの台詞。「それがおまえとわたしが背負った宿命だ・・」これ、あえて茶化して言っちゃうけど「どんなことがあろうと、あんたのことはぜっーったいに愛せませんから。ざんねーーーん!」っていうことでしょ?「宿命」なんて言葉、使われたら、誰だって何も言えなくなっちゃうよ・・・この時の鉄平の表情・・・忘れられません。誰だって、自分が愛したからと言って、相手が愛してくれるとは限らない。けれど、自分の人生の中で、最も愛されることを望んだ相手に「おまえのことはどんなことがあっても、愛することはないぞ」って言われたときというのは、どれほどの悲しみ、絶望なんだろう・・・一心に愛を注いでくれる妻がいても、また自らの血を引く息子がいたとしてもその深い悲しみは埋めることが出来ないものなんだろうか?鉄平の手にはまだ未来に続く道が残されていたのに生まれた意味を否定されたとき、人はその未来を信じることができないのかな・・・夢こそが未来を切り開いていく力だと鉄平は言う。だとすれば、父親から愛されるという夢を断たれてしまった鉄平はやはり死を選ぶしかなかったんだろうか・・・死ぬことで初めて、明かされることとなった鉄平が大介の実の子供であったという真実。死ぬことで初めて父親に伝えることのできた息子の想い。死ぬことで初めて叶えられた、父親に微笑みかけてもらうという、息子の夢。警官の「男らしい死に様」発言と「きれいすぎる死に顔」には興ざめしたけど(っていうかここまでキムタクの顔に気を遣うのあれ顎の下に銃あてなきゃいいのに!)鉄平のお葬式のシーンではやはり泣けてしまいました・・・(ホロリと)そして、鉄平が旅立つ日、彼のもう一つの夢であった高炉に再び火がはいる。鉄平は死ぬ前に、「白い雪山の中を歩いていると、いろんなものが洗い流されて、心の中が真っ白になるみたいだ」って言ってたけど、あたしはこの高炉の真っ赤な炎が、万俵家の全ての業や澱といったものを焼き尽くして、昇華させたように見えたの。これこそが、万俵家の呪縛から、鉄平の魂がもたらした救いだと。そして大介は万俵家の歪みの象徴でもあった相子の存在を排除することに。「君への気持ちは変わらない。だけどこれが私が出した答えだ。」万俵家を守るため、共に闘ってきた同志でもある相子は大介にとっては単なる愛人ではない。だけど、鉄平が残してくれたもののためにはやはり相子の存在が、万俵家の中にあってはならないと・・・。相子様の身の引き方、見事でした。ちゃんと手切れ金を受け取っていく姿も相子さまらしくて、良かった。強いていえば、なんで春まで居座っていたのかな?すでにお葬式のシーンで、相子さま自身が「もう身の引きどころだ」と感じていたはずなのに・・・だから寧子さんにまで最後に馬鹿にされちゃうんだよぉぉえ?あの「ご苦労様」発言は本心???? で、ちょうどここらへんが1時間15分。もうあとわずかなんだけど、このわずかな数分でだいぶ気がそがれちゃったのこのあたりで終わってくれてたら良かったのにな・・・・最後の合併披露宴のあたりは、要らなかったかな。雪山でのシーンもちょっと長すぎたので合わせて20分以上は短縮できたはず。なんとなく、説教くさくって、せっかくの気分が萎えまくり。大介が息子の命と引き替えに守った銀行だけどそれすら時代の波の中では、さらなる大銀行に飲み込まれちゃうかもー信念を失った銀行家はつぶれるしかないかもーもっと短絡的にいってしまえば大介にも天罰くだるかもーそんな感じ?しかもなんか美馬さんがやたらアップっていうか、華麗なる一族パート2でも作るつもりか?っていうぐらい意味ありげに扱われてるんだもん。なので、最後の最後の鉄平のシーンの台詞でも「志を忘れたら栄光はすぐに終わりへ向かうだろう」ってこれまた大介の破滅を予感させるようなことを言わせてくどいっちゅーーーの! 最初に感想書くのが難しいって書いたのはオオラスにこーいうシーンをもってきたのでなんか「めちゃめちゃ感動しましたー」っていう風には始められなかったんだよね。とにかく1時間15分までのドラマとしての評価は○。本当に脇の脇(今回でいうなら警官の前田吟さん、猟師の山谷さん)まで豪華俳優陣で描かれた豪華なドラマでした。金鯉の将軍(最後の死体、一瞬ゴミかとおもた)、動きが怪しいイノシシ、変な肖像画など本筋とは全く関係のないところでも話題となった注目度ナンバーワンのドラマであったことは間違いなし!キムタクの評価についてはいろいろあると思いますが個人的には、もうちょっとこの路線でいってほしいな。これでまた次のお仕事がいわゆる「キムタクドラマ」だとあー、あのときイイと思ったのは単なる思い違いだったのかなって思ってしまうのもイヤだからね(苦笑)最後(正確に言えばお葬式のシーンまでだけど)に泣けて良かった。「なんだかんだいってたけど、やっぱり泣けちゃったよ」っていうかたポチっとよろしく↓ あ、愛する銀平だけど、やっぱり最後まで何もせず・・・原作を知らないので、いつか彼が何か行動を起こしてくれると最後の最後まで期待していたのにな。鉄平に「辛かったろうな」なんて言われた時なんかここまで言われたんだから、なんかアクション起こすかと思ったのに・・残念!