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カテゴリ:小説・漫画
このシリーズが好きなのと、有川さん目当てで購入しました。
東日本大震災や阪神淡路大震災を扱った物語が多く、被災者の方の苦悩をほんの少しだけ 垣間見た気分です。 ・・・想像するのと実際に経験するのじゃ、雲泥の差なので、偉そうに分かったなんて 言えません・・・。 全部が全部、震災をテーマにした物語じゃないですが、悲惨な状況を目の当たりにしたような 衝撃の後に日常を描いた物語があると、ほっとします(^^; 繁栄の昭和/筒井康隆 くるくると、物語がループして全く動かない気持ち悪さみたいなものを感じ、 結論にああ、なるほど。 読んだときに、震災がテーマになってると勘違いしていたので、「それで?」と 思ってしまいました(^^; さるの湯/高橋克彦 主人公が被災地で写真を撮ると、なぜか亡くなった方が写真に写り込む。 残された遺族に頼まれ、あちこちで写真を撮ってるときに、親しくなった地元民と 山奥の「さるの湯」に住む老人の安否を確認しにいくことになり・・・。 実際にそんな場所があるか知りませんが、あるかもしれないと思わされました。 死と向き合うのは、きっとどんな状況だって辛いから。 蟋蟀/玄侑宗久 作家さん自身が体験したんじゃないかと思うくらい、家ごと津波に流されてる時の 描写がリアルで怖かったです。 大切な家族や、数時間前に会ったご近所さんの死。 流されているとき、窓から見える地獄絵のような光景。 津波にほんろうされる恐怖に耐えきれず、家から飛び出してしまった飼い犬。 テレビからじゃ伝わってきませんが、きっと、誰かが体験したことなんですよね。 水が怖くてお茶が飲めない。お風呂やシャワーも怖い。 大量のお味噌汁を作るための、鍋いっぱいの水が怖い。 ・・・そんな気持ち、全く分かりません・・・。 これでほんの少しだけ、被災された方の気持ちを知りました。 「頑張れ」なんて、絶対に言えません。 わがんね新聞/真山仁 大人が我慢すると、子供まで我慢する。 この作品を読んでて、福島の子供たちが出ていたニュースを思い出しました。 フィンランドから、本物のサンタに会わせてあげよう、なんて企画だったと思いますが、 最後の記念撮影で無表情の子供が何人かいました。 最初は、マスコミに追い回されてうっとうしいのだろうと考えてましたが、 それ以上にいろんなことを我慢して、我慢しすぎて表情を無くしてしまったのかな、と。 手作り新聞でも、ツイッターでも、どんな媒体でもいいから、不満を吐き出して欲しい。 言ってもらわないと分からないことって、本当に多いですから(^^; 漂流するピアノ/近藤史恵 阪神淡路大震災で、住んでいたマンションにひびが入り、お隣さんの1人が亡くなってしまう。 体育館での避難所生活を始めてすぐ、大阪から友達がやってきてその場から連れ出してくれた せいで、大切な何かを失ってしまった・・・。 これも、作家さん自身か、それとも誰かの体験したことなのかもしれませんね。 少し移動すれば、無くしてしまったはずの日常がそこにある。 それをどう捉えるかなんて、実際に経験しないと分からないことでしょうね・・・。 ホリデイズ/瀬名秀明 セスナで教官と作家が一緒に飛ぶ姿に、これがどう震災に結びつくのか 期待半分不安半分。 ・・・まだ、テーマが震災だと思い込んでたんです(^^; うまく震災を逃れられても、あと1日遅かったら、あと数時間あの場所に居たら、 なんて状況の人にもしっかり爪痕を残してくれるんですね・・・。 不謹慎かもしれないですが、作家さんが最後にぽつりと言い残した夢、 私も参加してみたいです。 飛行機の免許は持ってないので、誰かに乗せてもらう形で。 ヒア・カムズ・ザ・サンparallel/有川浩 全く震災と関係無い話ですが(しつこい)、考えさせられました。 夢ばかり追いかける父親。挙句の果てにはアメリカに行ってしまう。 そんな父を死んだことにしてしまい、忘れようと努める娘。 家族だけじゃ決して解決する見込みのない、難しい問題ですが、 どこかで許さないと、そのまま二度と会えない可能性だってあるわけで。 かといって、折れどころって難しいです(^^; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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