カテゴリ:金融
階段を上りきり、廊下を左の方向へ歩き、一度左へ曲がり、廊下のつきあたり
の右側、そこに受付らしき扉がありました。一階に比べると多少明るいのですが、 外の光の入る窓が少なく、建物の古さと相まって、薄暗い雰囲気でした。 受付の扉の横には細長い事務用の机があり、A4サイズの茶封筒が十枚ほど 無造作に並べられていました。封筒には黒いマジックで、簡単に今日の日付と、 何やら会社名らしき文字が書かれていました。 よく見ると、消費者金融の社名と、その横に“調停”の二文字があります。 中には、「アイフル」「T社」と書かれているものもありました。この封筒は恐らく、 私が起こした調停に関わる書類なのでしょう、私のような特定調停ばかりとは 限りませんが、いずれにしろ、なんかしらの調停にかかわる資料が 並べられているようでした。指定された時間までは、まだ間がありました。 建物の中は空調が効いておらず、汗がにじんできました。しかし、ネクタイを 緩めるのはもちろん、上着を脱ぐ気にもなれず、 封筒のある机の対面にある長椅子に腰を下ろし、じっと待ちました。 裁判所からの呼び出しの通知には、 「特定調停の申し立てを起こすまでの、経緯・事情を伺いたい。」 とありました。 特定調停の内容や結果は、私が裁判所に話す内容で大きく左右されるようにも、 受け取れます。どんな内容でも、正直に話すつもりではありますが、妻が 借入を行った会社は、10社以上ありますし、借入の内容を、きちんと 矛盾なしに伝えられる自信はありませんでした。 前日の夜、私は事前に裁判所へ提出した書類の写しを何度も読み返し、 裁判所での事情聴取で、自分の話に矛盾が生じぬよう、頭に入れました。 そして、何かしらを訴えなければならない場面があった場合に、 借金を返す意思は大いにあること、しかし、最低限の生活を保ちつつ、 借金を返済するには、事前に提出した書面にある金額でないと難しいこと、 この二点をしっかり伝えられるように、イメージしておきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年06月16日 21時01分31秒
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