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このレジュメは、2001年のものですが、以下後半の「少年期のいじめ問題を深刻化させていく諸要因」の中に、今は「学力テストに高順位を取るための『学力向上』競争」の弊害も加わっているのではないかと、私は思います。 我が市でも、この数年間で「長期欠席」が増加しているし、年々子どもたちの不適応行動が増加、激化している気がします。これは、大人の問題ではないでしょうか。
………………………… 2. 児童期の「集団的自立」といじめの問題 児童期は仲間集団で徒党を組みながら、仲間集団に依拠しつつ大人からの心理的な距離化を達成していく「集団的自立」の時期である。この時期、仲間集団の中で「ささやかな悪」や「秘密の世界」を共有するが、そこで作られる仲間集団に独自のルールや掟を創造する体験が自治の力を育むと同時に、大人から自立するための重要な拠点となっていく。 また、集団の「ウチ」と「ソト」が明確化されるようになり、集団内部の「我々意識」が強まってくることによって、男女間や他の集団との「対抗意識」が次第に強まってくる。 そして、集団遊びの中でお互いの立場を考慮したルールづくりをしたり、また「秘密の世界」の中だけで通じる「掟」を創造することを通じて集団内部の連帯感を高めていく。 (←「集団遊び」の中での「ルール」と、「秘密の世界」の中での「掟」の2側面) その結果、恣意的なルールを押しつけ、まわりを支配・命令しようとするボス的な子どもに対する反発が強まったり、大人の代弁をして指示・命令するような「真面目な子ども」への批判が激しくなり、追い詰められる子どもも出てくる。 また、集団のウチとソトを明確に区別していくことによって仲間はずしなどの「集団いじめ」が本格的に始まってくるのもこの時期からである。 ex… ★今日の少年期のいじめ問題を深刻化させていく諸要因 (1)児童期の「集団的自立」にとって必要不可欠な「発達の源泉」であり、「ルール」の作り方を学習する最大の機会でもあった遊びの世界、とりわけ「集団遊びの世界」が貧困化したことによって、子どもたちの対人関係スキルの発達が著しく疎外されてきたこと。 また、子どもたちの「集団的自立」のプロセスを保障できる「放課後の世界」が消滅していくことによって、子どもの発達のエネルギーが大人から集団的に自立していく方向ではなく、いじめ遊びのかたちで衝動的に発散されるようになってしまっていること。 ex.誰かを集団でからかったり、いじめたりすることでしか、一緒に遊んだり、集団としてまとまることができない子どもたち (2)学校だけでなく、スポーツ少年団や塾などの放課後の世界を通じて、子どもたちの世界の中に能力主義と競争原理が浸透した結果、弱い立場に置かれている子どもに対する露骨な差別と排斥を生み出す「掟」へと変質してきていること。(← 大人の責任) ex.「勝利至上主義」に子どもを駆り立てていく大人の「強迫性」の問題 家族関係だけでなく、学校や地域社会が絶えざる競争関係の中で子どもを管理していく時、子どもたちは人間関係を上下関係の中で捉えるようになっていくだけでなく、アグレッションの方向は大人には向かわず、弱い子どもの方に向かっていく。 Q.遊びが形式的平等に基づく一つの非日常空間として成立しなくなってしまっている? cf.子どものスポーツ少年団の勝利に一喜一憂する父母 不正をしてでも「勝つ」ことに固執しようとする子どもたちの増加 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.02.23 14:53:11
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