切りとられた時間
末っ子がランチに行く日。4時間のフリータイムだ。末っ子をプリスクールに送ったあと、30分ほどドライブ。その街は大学街で刺激の匂いがする通り過ぎる人達も我が家の近所では見られない種類の人達車のロックをかけて去ってくれるのを待ちたいような人大きなキャンバス地のバッグを斜めにかけて指無し手袋をしてる人楽器のケースを持ち慣れたような人鉄橋のすぐ下には子供が居ない時期に時々訪ねたカフェがあるここに来たのは金曜日までにどうしても手に入れておかなければならない楽譜を買わなければならなかったからだ店はまだ閉まったまま10時に開くらしい20分ある。“Little Chinese Seamstress"を読み始めたなかなか良い。なぜかバイオリンが出てくるから笑ってしまった店のなかに人影がしてどうやらドアのロックを開けたようだ区切りの良いところまで読んで車を降りて店に入るその背の高い金髪の憂鬱げな女性は私を見るなり"I was just kidding myself opening the door early, I didn't think anyone will walk in ."とドアのロックを開けてしまったことを悔いている。・ ・ ・”What do you need?"昨日電話でお願いした楽譜を取りに来たことを告げると、こちらの様子に気がついたのかいつもの初老のクラークが出て来た。その憂鬱女は彼に、”I was just kidding myself opening the door, and she just walked in."と憂鬱声で告げる。その彼”You better stop doing that."と私の顔を見ながら言う。けれど、これはその憂鬱女に言ってるらしい。なんなんだあこの人達10時になってるよ~あんたたち凄く変よ~~~ま、楽譜を売って生活するには庶民には分からない苦労があるか。(笑)一応それでも店を出る時には”Thank you"とその憂鬱女は言ったこのまま湖が見える公園まで行ってしまおうかと思ったが自宅へ戻る優等生ママであった寒いしねえ、まだこんな風ないつもと違う時間も胸に響いていいかなと思った