そんなのあり?
私の従兄弟は、国立大学の研究室の助手をしている。数日前に「もしかしたら出張で東京に行くかも。」と連絡があった。今夜、日程が決まったらしく、連絡してきた。どうやら来週、1泊2日の日程で東京で行われるイベントに顔を出すらしい。夕食をどうするか聞かれたので、彼女の出張の予定を聞いてびっくり。・・・ほぼ、予定らしき予定はないのだ。確かに、イベントは開催されるらしく、顔出ししなくてはいけないのだけど、他にこれと言って予定もなく、同行する人と2名、どこに行くか相談しているらしい。「何それ~?そんな楽な出張、いいねぇ。ちょっとした旅行じゃん!」私がそう言うと、彼女も少し困惑しながらも答えた。「そうなんだよね~。泊まらなくてもいいくらいの予定なんだよね。」よくよく聞くと、どうやらそれは「予算を使うため」の出張なのだそうだ。研究室って、毎年の研究費の予算が研究室ごとに振り分けられるらしい。予算を使わないと、翌年の割り当てが削られる恐れがあるみたいで、今回の2人の出張の「目的」は、その予算を使う事にあるらしい。・・・・これ、本当だとしたら、ちょっと無駄じゃない?内心そう思わずにはいられない話で、半信半疑ながらも言った。「それって春の予算編成に向けて、無駄に行う道路工事みたいなもんなん?」すると彼女は、「そうそう。そんな感じ。」と答えた。そして、「これも税金って思うと、ちょっとためらうよねぇ。」と。出張なので、旅費、宿泊手当、出張手当と支給される。旅費の実費精算はともかく、宿泊手当が11,000円って、高~い!!私の会社、日本国内どこに出張しても、私のクラスは8,000円しかでない。部長職で確か、9,000円くらいだったような・・・・・。国立大学も法人化されていろんな制度が整えられ、「コスト意識」が芽生えたと、どこかの新聞のコラムに書いてあったんだけど、現実はやはり、これだ。今年から定率減税が廃止され、少子化、人口減、景気回復というキーワードの元、私達はより多くの税金を納めなくてはいけなくなっている。で、その集まった税金の使い道をたどっていくと、末端ではこんな状況だ。自分のすごく身近なところで、こんな状況を見聞きするたびに、税収不足に疑問を持つ。電話を切った後、ちょっぴり複雑な気分になった。従兄弟と会えるのは楽しみだけど、何だかなぁ・・・・。