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Precious Precious

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2007.10.24
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カテゴリ:食事
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 すいとんです。子どもの頃から慣れ親しんだ郷土料理。急に食べたくなって初めて自分で作りました。

すいとんのことを実家では「ひっつみ」と言います。別名「とってなげ」
どちらも生地を「ひっつまむ」とか「とって鍋に投げる」という動作そのまんま由来
ただ広い岩手県では地方によってイントネーションも言葉もそれぞれで食べ物1つにいろんな言い方があるのです。旧南部藩と旧伊達藩の違いもあるようです。今住んでいる所ではこれを「はっと」というそうです。ちぎって鍋に入れるから「ちぎりばっと」とも。伊達藩では
はっと:伊達政宗があまりのおいしさに「下々の者に食べさせてはいけない」と「御法度」にしたことからこの名前がついたとか。ケチな殿様だな。
 実家では「はっと」は生地を平らに伸ばしてうどんのように切ったものを言います。
 何だかややこしくなってきたので、自分が慣れている「ひっつみ」で進めていきます。小麦粉と水をこね合わせて耳たぶくらいのやわらかさにして、何時間か冷蔵庫で寝かせる、これだけ。粉と水の分量がわからなかったので母に聞いたりネットで調べたりしたところ、粉:水=2:1を目安にするといいようです。粘りが出た方がいいので楽しくこねこねします。形は作る人によってさまざまで分厚いのもありますがわたしはうすーくのばしたのが好きです。冷蔵庫で寝かせている間に鍋で人参、大根、キノコ類などなど野菜を煮ておきます。今の時季、川原などで芋の子汁(豚汁に里芋が入ったもの?)を食べる「芋煮会(これは宮城山形の言い方です、岩手だとただの「いものこ会」)」のシーズンですが豚汁は味噌味醤油味、具を炒めるか最初から水で煮るかいろんな作り方がありますよね。わたしは「具を炒めて味噌味(味噌入れるまでカレーと作り方が同じ)」が好きです。外で大人数分作るときは水に具を入れて作った方が楽ですね。ひっつみは「炒めないで醤油味」な思い込みがあったので、根菜→鶏肉→きのこ→ひっつみ→ねぎの順に煮て作りました。

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生地を寝かせて3時間。耳たぶの固さとは程遠い。何だかヤな予感が…


 母はよくこれを作ってくれましたが、思い出すのは平成6年の夏。それはそれは寒い夏で米が全然とれなくてあの「タイ米」を仕方なく食べた年であります。母は静岡の伯母にお願いしてお米を送ってもらうなどして私のお弁当に困らないようにしてくれたそうですが、それでもふだん食べるには足りなくて(そして外国の米は食べられなくて)ひっつみの登場が増えたのです。

 自分で初めて作ったひっつみは…生地ができたときからアヤしいと思っていましたが、消しゴムのように固く(涙)母が作るようなびよよ~んなんて全然ならず、ぶぢっと切れてしまい必死に指で延ばして鍋に入れました。食べて見ると好みとは反対のぼでっとしたものに…やはり料理というのは何度も作って自分のものになっていくのですね。しかも、動揺してしまいネギを入れ忘れた。

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 それにしても野菜や鶏肉と汁はとっても旨くて、主役のひっつみをのけて食べまくり。体がぽかぽかになりました。






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Last updated  2007.10.24 20:43:24
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