NANAKOROBI YAOKI

昨日、彼のメールで「今日、友達から電話があって、お前がカリフォルニアで死んだって聞いたんだけど、と言われた。」と言ってきた。普通になんで?と返すと「俺もわからん。でも、こういうのが2回め。1回めは自分の働いていた船から出た話。なんで自分のことでそんな噂を立てられるのかわからん。どんだけの人に嫌われとんじゃ～。」みたいにマジっぽいので「元カノたちにうらまれてるんと違うの?Mrプレイボーイ!」とシャレで返したら「いやマジで心配してんだけど。こんなのあるとナーバスになるわ。」と鼻息荒い（メールだけど)。

「ま、世界には3人似た人がいると言うからネイビィに君に似た人がおるのでしょう!」
とキリがないので締めました。


と、こんな話で急に思い出したんだけど・・・。

私の小中高の同級生で近所に住む勉強もよく出来る男の子がいた。曲がったことが嫌いですぐムキになる直角くんのような男の子。理科系嫌いな私が勉強のこと質問したら何でも答えてもらえた。高校生になってからはほとんど交流はなかったんだけど。関西の某有名大学に進学したもののしばらくして「あっちで事故で亡くなったらしい。」という噂を聞いた。私も学生で県外にいたので地元の友達に電話で確認したところ「いや、なんか行方不明で大学もやめたらしいで。」と聞いた。その後、就職した私が帰省したときに地元の情報というか噂だけには滅法くわしい父親が（井の中の蛙と呼んでいますが)「○○君、おらんって言ってたろう。実はオ○ム真理教に入ったんだって。」と。彼の母親から聞いた話だから本当のようです。

そんな話を聞いてしばらく経った頃。
阪神大震災の混乱も残る３月のある朝。東京で世紀の大事件が発生。その宗教団体が起こした「地下鉄サリン事件」である。実行犯は間もなく逮捕されニュースでも名前や顔が公表された。彼はもちろん、いなかったけれども。彼が関わったていたかどうかはわからないけど、あの彼がそんな団体に属していることがショックだった。

「世の中を知らない純粋培養のエリート」が引き起こした犯罪と世間は言います。進学して初めて都会での一人暮らしを始めた彼に何が起こったのかはわかりません。小さいときのあのイメージしかないので何とも言えませんが彼に関してはちょっとした心の隙間につけこまれた被害者という気がしてなりません。

あれから10年以上経ちますが彼の実家はもう誰も住んでおらずひっそりしています。ずっと忘れていたのに思い出してしまいました。