カテゴリ:シュタイナー的 数学・幾何の話
こんどのメインレッスンは射影幾何学。
なんじゃそりゃ? っていう人、多いよね。多分。 メインストリームの数学の世界じゃ、 あんまり取り扱われないもの。 これは、無限遠の世界。 ユークリッド幾何学で、 「平行な直線は、 どこまで行っても平行のままで、交わることはない。」 と言われた平行線は、 実は無限遠で交わる。 そして、直線。 直線は、両側に限りなく伸びていく真っ直ぐな線のことだけど、 その直線をたどっていくと、 無限遠に達して、次の瞬間には、 直線の反対側に行く。 その概念は、 実際に見ることができないけれど、 思考によって、到達することができる。 私は、この射影幾何学を何年か学んでいるから、 この概念は当たり前のことのようになっているのだけど、 初めてこれを学ぶ人にとっては、 今までの概念を覆す、 かなりショッキングな概念に違いない。 11年生で、これをやるのは、 実は、生徒達の概念を覆すことが目的。 彼らに、 今までの考えが通用しないことをつきつけて、 ショックを与える。 そして、純粋な思考でもって、 彼らが、あーでもない、こーでもない、と、 深く考えるのが目的。 さて、今、私は、 このショックをどうやって彼らにぶつけるか、 頭を悩ませている。 私はこのクラスを教えたことがない。 「彼ら、射影幾何学には程遠いよ」 と、化学の先生は言う。 そして、私に与えられた時間は、 たったの7日=14時間。 4週間のブロックのはずだけど、 GCSE(試験)のお陰で、 ここまで時間削減されてしまった。 さて、どこまで彼らの思考を無限遠に近づけることができるか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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