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カテゴリ:本
「14歳からの仕事道」(玄田有史,理論社,1260円)の一節。
やりたいことがわからない。 「働く」ってどういうことだろう? と、漠然とした不安を感じている子どもと若者向けに わかりやすい言葉で書かれたリアルなキャリア教育の本ですが、 大人にも読みごたえがあると思います。 確かに働いていると、ワケわからんことも、 やってられないことも山ほどある! 迷いながら、不安を感じながら、働き続ける自分に、 結構よくやっているじゃない?と ささやかな誇りを感じさせてくれる本だと思いました。 仕事で失敗した時とか、壁にぶつかって 落ち込んだ時に読むのもいいかもしれません。 最近異動した私は、今まで知らなかった人とつながって、 自分の可能性や存在意義を見つけていくんだなあと 気付いて、何だか嬉しくなりました。 自分にとっての「働くことの誇り」を自分の言葉で 表現して次の世代に伝えることの大切さも感じました。 まずは、自分の子どもに、自分がどんな仕事をしてきたか、 ありのままにストレートに 伝えられるようになりたいと思いました。 心に残った文章をいくつか紹介します。 もっとたくさんあるのですが、厳選しています。 ■急に上司から言われてやらないといけなくなった仕事。 会社の方針で突如売ってくることを命じられた商品。 クルクル変わるお客さんのあいまいな要求。 「なんでこんなこと、やらないといけないんだ」と 思うことなんて、しょっちゅうです。 だいたいが、ワケわからんことの連続なんです。 それが働いている大人の本音です。 働き始めると、矛盾したこと、理不尽なこと、 やってられないこと、理解不能なこと、 そんなことばっかりですよ。(中略) ワケわからんことにすぐにあきらめない人にだけ、 チャンスはまわってくるものなんです。 ■仕事をすること、働くことの本当の醍醐味は、 そこで知らない誰かとつながることで、自分だけでは わからなかった新しい発見があること その発見とは、自分の可能性だったり、 自分の存在意義だったりする。 ■わからないなりに、なんとか、もがけるだけ、もがいてみる。 カベの前でちゃんとウロウロしてみる。 そうすると、あるとき突然、カベにぽっかり空いた穴が 見つかったりする。カベのほうから勝手にガラガラ くずれてきたりする。 空からヘリコプターが飛んできて、 そこからロープが下りてきて、それにつかまって カベを乗り越えることができたりする。 仕事をするって、そんなもんです。 ■自分がいかにダメなのかに直面するチャンスが いちばんあることこそ、働くことの意味だと思います。 そしてそこにしか、自分が成長していくチャンスは ないだろう、とも思います。(中略) あなたがまだ自覚していない、あなたのダメな部分は まだまだある。そして、同時に、あなたがまだ自覚していない あなたの才能も、そこにはあるんです。 働くことの意味なんて、たったそれだけ、 弱さの自覚ということだけです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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