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テーマ:ラテンだよ!全員集合!(251)
カテゴリ:ラテンアメリカ一般
もともと涙腺のゆるい私はNHKのドラマ「ハルとナツ」を涙なしには見れなかった。でも、泣けてきたのはブラジル移民の歴史を描いたこのドラマ、単にお話として悲しかったからではなく、自分の中の経験とだぶったのです。
と、言っても当然私は移民じゃないけど、日系移民や日系人とのかかわりが強い私は、今まで会った日系人、とりわけ日系一世の方々の話を思い出して感情移入していました。 私は公私共に日系人とかかわってきた。 アメリカ留学時代は北米の日系史に関して調べていたし、その後メキシコでも日系協会とかかわりがあった。そして、日系移住史の中で大きな歴史の舞台になったドミニカ共和国に縁あって住むことになった。 メキシコの日系移住は実はブラジルよりも古く、1887年にあの榎本五稜郭で有名な榎本氏が送った榎本移民に始まる。 ちょうど私がメキシコに渡った1997年は日系移民100周年で、様々なイベントが行われた。 この榎本移民、飲んだこともなければ、見たことすらないコーヒーを栽培するためにメキシコのチアパス州に到着したが、コーヒーの栽培には失敗。 今でもこのチアパス州タパチュラには日系協会があって、日本語学校もある。 これまた縁あってお邪魔させてもらったことがあるのだけど、びっくりするほど歓迎していただいて恐縮だったのをよく覚えている。 メキシコ最貧州のひとつであるチアパス州。 ここの日系人の人たちは日本人の血をひいていることをとても誇りに持っている。少しでも日本や日本人とかかわりを持ちたい・・そう思っているようにも私には思えた。ただ、日系人といっても現在5世や6世もいて、その5代あるいは6代前のおじいさん(*注)が日本人だったというわけで、一見メキシコ人とはまったく変わりもないし、日本語ができるわけでもなく、日本的な生活習慣が残っているわけでもない。 でも、だからこそというか、他のメキシコ人と自分は違うんだ・・と言う感覚があるように思えた。 そして、日系人なので日本に出稼ぎに行くこともできる。 よく言われることだけど、かつて日本人が貧しくてラテンアメリカに移住したのに、今じゃラテンアメリカから日本にその師弟が出稼ぎに来るのは皮肉なことかもしれない。 楽観的な考え方かもしれないけど、それでも私は出稼ぎによって両者(日本人と日系人)の隔たりが縮まればいいのじゃないかと思う。 日本人は日系移住の歴史や日系人を知らなさ過ぎると私は思っている。 出稼ぎによって日本人が日系人に関心を持つこともあると思う。 多くの入植地では、いまは「兵どもが夢の跡」となっているところも多い。 だけど、現地に根付いて貢献している日系人はたくさんいる。 ・・・この話は長くなるのでいったんここまで。 (*注) 榎本移民は全員男性だったので、「おじいさん」と書きました。 そのチアパス州タパチュラでハリケーンによる大洪水の被害が伝えられていて、とても心配。とりわけcimaさんや関係者に何もなく、無事であることを祈っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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