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「今年中か来年には籍を入れたいやん」










一緒に暮らし始めて、もう直ぐ5ヶ月になる。
しかし、実のところ、上手くいっていないのだ。










『二人の関係』ではない。
別の問題が発生しているのだ。










私は現在、無職。
そして、彼は自営業。
彼の収入だけで、私達は生活をしている。
彼の会社の取引先の支払いがあってこそ、
二人の生活が成り立っているわけなのだが…










ここ2ヶ月近く、取引先からの入金がないのだ。
彼が仕事を全くしていないわけではない。
取引先が支払いを怠っているのだ。










「○日に入金があるはずだから」

「分かった。その日に確認してみるね」


何度かそう言われたことがあったが、
きちんと入金されていたことは一度もない。










「銀行に入金の確認に行ったけどなかった」

「えぇ～、またかいな」


彼が取引しているのは、殆どが中小企業。
今、金がないから、と支払いを渋っているらしい。
（この会話が、2/27の日記に繋がるわけです）










先月末のことだ。
家賃等の引き落としがあるのに、
入金がないからどうしようか？という話になった。










「ちょっと出掛けてくる」

そう私に言い残して、彼はふらりと出て行った。
小一時間ほどして帰ってきた彼の手には、札束。










“まさか消費者金融に借り入れをしてきたのでは？”
そんな心配が私の頭をよぎった。










「銀行の定期を崩してきた。
これで俺個人の貯蓄は、0です。
3月は確実に入金があるけ、これで何とか生活して」

渡された札束。
自分の定期を崩してまで…何故か泣けてきた。










「もぉ～、泣きなさんな。
俺が隠し金を持っていたことに怒ってるの？」

「………」

「じゃあ、何で泣いてるの？」










「今、頑張りよるのはね、将来のことを考えてなんよ」

「………」

「もうじき30になるやろ？
5年後には、もっと楽な生活をしたいやん。
毎日、子どもの送り迎えをしたって良いし、
二人でいろんなところに出掛けても良いような生活」










「郁が30になるまでには…
今年中か来年には籍を入れたいやん。
今、ちょっと苦しいけど、俺のこと支えてあげて」

「………」

「泣かれたら、俺、仕事行けないやん。
笑ってよ。笑って、いってらっしゃいって言って」










5年後…










5年後、私は34歳。
その未来で私達が彼が言ったような
生活を送っているのかは分からない。だけど―










あなたの未来に私はちゃんと居るんだね。
ちゃんとあなたを支えていける自信はまだないけど―










私、頑張るよ。