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テーマ:猫のいる生活(138644)
カテゴリ:旅行
今だから笑える一話。
3年前、9.11がきっかけでビジネスと家計が危なくなり、故郷のハワイを離れ、ワシントンDCに引越す決断をした。スコットが一足さきに本土に渡り、当時妊娠5ヶ月の私とケイちゃんと猫2匹で後から行く、という条件だった。 アメリカンスクール時代の親友リーラがメリーランドのポトマック(高級住宅地)に住んでいたこともあり、スコットを預かって(?)くれ、面倒をみてくれた。 妊婦の私にはさっさと職が見つからなかったスコットがとてもだらしのない男に思えて仕方がなかった。(口論のもとになったのがしばしば ─ 以来話し合って打ち解けることができた) 今思うとヒドイと思うが、当時は本音である。もっとヒドイことに、私はそのまま日本の両親の元へ帰ってしまおうかと思ったくらい引越しが恐ろしかったのだ。 (実は一度引越しする前に東京に3週間ほど帰っていたので、そのまま残ってしまおうと思ったり) 新しい土地でやり直しが出来るのか、と本当に疑った。振り返ってみると、かなり情緒不安定だったのだと思う。いつもは楽観的なはずな私なのだが、無知の土地への「引越し・職探し・出産」には相当ビビっていた。妊娠すると身の回りを確保したい本能が利くのだろう。私の場合、逆に身の回りが引っ掻き回されていたことになる。(今思うと、ツインタワーで無くなった人の身内の方々には申し訳ない個人的な悩みだった) さて、11月の頭にスコットが本土に渡り、私はクリスマスイブにスヌーピー・タズ・ケイちゃんの3人(?)を連れてホノルル国際空港から発った。 スヌーピーとタズには出発30分前に獣医さんに頂いていたトランキライザー(鎮静剤)を一錠ずつ飲み込ませた。下腹部がちょっと出てバランス感が不安定・情緒不安定・ツワリまだあり・足下おぼつかずの私にはこの「猫と格闘」作業が拷問だったのだが (NG場面である)、今回の笑い話はここで終わらない。 当時の私の役割はすべてのビジネスの後始末やら託す人への手配やら。最後の荷造り、倉庫に入ったものを送り出す、等など。 エアポートでは: プルマン1個。ペットキャリア2個(猫入り)。ケイちゃん1人。ぬいぐるみとリュック。ハンドバッグ。チェックインしたスーツケース大2個と箱2個。 ワシントンへの経由は: ホノルル→ロサンジェルス→ワシントン。 ロサンジェルスでは2時間の待ち時間。出発22時の便である。 さて、飛行機では小動物は足下に置けるなら飛行機に一緒に乗ることができる。 それに、トランキライザーを飲んでいるので、下の貨物室では小動物は体温の調節ができないため危険、という理由もある。 トランキライザーを飲んでペットキャリアに乗っている猫達なのだが、スヌーピーは ちゃんと効いているのか分からないような動作。始終小さな鳴き声でミャーミャーと鳴いていた。でも、目をみるとやっぱり効いているのだろう、酔っぱらったような顔をしていた。 ディングルベリーでネタになったタズは持ち前のメローな性格で、トランキライザーも効いているのかずっと大人しくしていた。まるで旅慣れているようだった。 ロスで乗り換えのとき、飛行機から又荷物を全て下ろさなければならない。 プルマンにペットキャリアを重ねてのせ、右手でハンドル持ち、バランスさせながら、左手は半分寝ているケイちゃんを誘導し、よろけながら飛行機から降りる。まだお腹が目立っている訳でもないから、「あ、妊婦さんだ、助けてあげよう」などと人が来るわけはない。(笑) 2時間の待ち時間もある、ということで一応化粧室によってリフレッシュしよう、ということに。 ケイちゃんとあっちこっちと迷路のようなLAXの中を歩いているうちに、 タズ入りのペットキャリアがガシャーンと落ちた。(ヒィィィィ~!) (T▽T) 実はホノルル空港でも一度落としてしまっていたのだ。 メローなタズだが、実は獣医さんには心臓が他の猫よりひとまわり大きいし、鼓動も不規則と言われ、ビクビクしていた。落とす度に私は死ぬ思いであった。旅行客も目撃した方達は心配そうにこちらを見ているので冷汗ものでもあった。 さて、やっと化粧室を見つけ、カウンターに猫達のキャリアを置き、少し伸びをさせてあげようとペットドアを開けると、スヌーピーはまだ酔っぱらったように変な動作。水をあげようとしても飲まない。仕様がないのでドアを閉め、暗くしてあげた。次はタズ、とドアを開けると、ミャー♪と嬉しそうに顔を出した。 うん? 妙に元気ねぇ、と少し抱き上げると・・・何と、ペットキャリアの下には 飲み込んだハズのトランキライザーが転がっていた。 今までメローだと思って安心していたのはタズの天然の性質で、トランキライザーではなかった。 と、いうことは・・・? 2度も落としてしまったって事は? (考えたくない~!) ワシントン・ダラス空港行きのフライトは何も起こらず、スヌーピーのか弱く、哀れな鳴き声(私にしか聞こえない)の他には静かであった。 乗客が寝静まった中、スヌーピーの鳴き声を聞いていると、自分のみじめさが増し、ひとりで静かに泣いてしまった。4歳だったケイちゃんもあわれに思えた。 そして、やはり3度目の正直か、タズはもう一度妊婦の私に落とされる運命にあった。それも到着直後の空港のバゲージクレームで。 国際線ではなく、国内線なので、バゲージクレームにはスコットが入ってこれた。タズを3度落とした、と話すと「ええええっ」とびっくりしていたスコットだが、トランキライザーを飲んでるから大丈夫だよ、と自分で考え直したらしい。 いや、トランキライザーは飲んでないと答えると、顔が真っ青になっていたスコットを私はしっかり見た。 鼓動が不規則で心臓が大きいタズは3度落とされても私を責めなかった。落とされて心臓発作にならなかったのが不思議な位。これがスヌーピーだったらと思うと恐ろしい・・・。 タズ、今更だけど、こんな至らない私を許して~! (涙) 今回の教訓: 妊婦に引越しを任せるべからず。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 昨日のコメントでディングルベリーの由来(?)を訊かれたので、スコットに訊いたら、彼も実は覚えてないそう・・・(ズコッ!) でも、自分では発明してないとは思っているらしい。きっとどこかの方言なのでしょう。使っている人には会ったことがないのですが、まぁ、とりあえずは我が家の愛称としておきますね。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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