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♪音楽教室日記

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2008年09月16日
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ピアノに、ゴールなんかないんです

いまだに、向っています
何に向かっているのかよく分からないですが。
ピアノって、音楽って、分からなくて、過程が大事なのかも。
そう思います。

かれこれ2年たつでしょうか
現在6年生のピアノ個人の女の子
です。

幼稚園の年長から習いだし
お母さんはいつもつきそわれ、私のアドバイスをもらさずきちんとメモされるようなお母様。
そして、
きちんと毎週課題をマスターして、
きちんと上達していた賢い賢い女の子

小学生になった頃に
宿題の優先順位を付けてほしい。
1日何回は弾くように、先生からも伝えてほしい。
毎日かかさず練習するように言ってほしい。
そのアドバイスを参考に、家でもきちんとおけいこをさせたい。

そんな事も言われ、宿題を出すのにも、色々考えてだしました。

いわゆる「うるさいお母様」ではなくて
とても素敵なお母様で、
専門家になるのではなく、一生音楽を友に出来るように。と。
私は、そのお母様の真摯にレッスンに向かわれるところと、
一生懸命、お嬢さんを教育しておられる姿に尊敬もしました。

結果が出るのですから。
私が言ったアドバイスをきちんとこなすのです。
私も、その子の成長に夢中でした。
だから、
宿題を出すのにも、それはそれは細かく、
お母さんの熱心さに是非こたえたい。
そんな気持ちもありました。

やっちゃいましたね~。
失敗でした。私。

たいていは、
私と生徒に太いパイプがあって、
私とお母様は、細いパイプで結ばれているのですが
このお母様と生徒は、でした。
完全に、私とお母様が生徒をがんじがらめにしてしまったのかもしれない。

そして、4年生の時。
予想できたはずなのに、やってきました
ピアノはいつおわるのか、何が弾けたらひかなくていいのか・・
その状態に陥った生徒です。

つらい思いをさせてしまいました。

それから、じっくり私も反省し、
お母様にも、他の子の状況や、私の生徒の経験談などもお話して、
お母様と私の約束として、
本人の前で、レッスンの話を私とお母様ではなさない
お母様は宿題をさせたり、うながしたりしない
この2つを守る事にしました。

完全に
放任にしてみるという事です。

お母様の素敵なところは、娘を音楽家にさせたいのではなくて
一生音楽をともにしてもらいたい。
ここが第1希望です。
ですから、納得していただいて、完全なる放任になりました。

私もその生徒とは、できるだけフレンドリーに。
学校の話や、映画の話や、テレビの話もしたり。
そういうスタイルに変えていきました。
宿題をとつぜんやらなくていい
とは、いえないですから、
約束として、一つ課題。
これをきめました。
しかもゆる~~い「約束

おかげで、
全然練習量はかわりました。
当然、弾けなくなります
ただ、あれから2年
お母様からは、レッスンが楽しみでしかたない。と言っているようで、お母様はとてもうれしそうです。
弾けないと言っても、弾く技術は年齢以上にありますね。

ただ、
代償は大きいのか・・・
演奏する時の情熱とか、これ弾きたい!!
そんなパワーは感じられないですね。まだ。
どうも、抑えている感じが、漂うのです。

でも、2年がたち、地味ながらも確実に上達はしています。
しかもまだ、6年生
現実はまだまだどうにでもなる

この子の場合は、技術先行型になってしまった例だと思います。

賢く、そつなく出来る。
お母さんのいいつけも守ろうとできる。
そういう子こそ、一気に上達させるのは慎重です。
生徒を育てるのは難しいです。
教えればいいってだけならいいですが、
そうもいかないのが、人間相手ですね。

「これできる??」
「はい!」


この「はい」の裏に、おおきな暗闇が潜んでる事もある。
逆に「できない」の裏に、明るい光がある時もあるし。

ここが、何年教えても、何十人教えても、同じがないのです。





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Last updated  2008年09月16日 17時08分43秒
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