テーマ:本のある暮らし(3284)
カテゴリ:本・音楽・映画・観劇
2007/06/27 mercoledi
雑司が谷霊園の中に、こんな立て札が建っている。 へ~ぇ!と思って通り過ぎるだけだったのだが、音訳雑誌のお当番で担当して、 とても面白かった諸田玲子「お鳥見女房」は、まさにこの辺りが舞台。 お鳥見役というのは、鷹の餌の分布状況を調べたり、鷹狩りの準備をする仕事だが、 実は、その裏に、幕府隠密の役目もある。 タイトル通り、主人公は、そんなお鳥見役の妻珠世。 裏の仕事で主人が留守の間、舅や息子と娘、更には大勢の居候まで抱えながらも、 明るく切り盛りしている。 ちょっとした事件があったり、主が行方不明になったりと、ミステリアスな部分も あるけれど、どちらかというと、時代劇ホームドラマ? 日常の家の中の様子がよく描かれている。 捕り物とか、有名な偉い人が登場するというのではないけれど、面白い! その上、今も残る道をあれこれ、想像しながら読むというのも、これまた楽しさ百倍。 鬼平にもよく鬼子母神あたりが出てきたものだが、より極地的というか、 身近で具体的。 この辺の古地図が欲しくなる。 この作者、向田邦子のドラマの小説化などを手がけているというだけあって、 読み進むままに、頭の中で、ドンドン映像化されていく。 それが小説としていいのか悪いのか? 登場人物がみんな、憎めない、というのも良いのか悪いのか? 心地よく読み進めてしまう。 まだ単行本3冊。 文庫化されたのはそのうち2冊。 一気に読めてしまうので、もっと溜め込んだ上で、読んだ方がよかったのかも、 な~んて思ったり。 この中でいう鬼子母神に続く幽霊坂が何処なのか? 私の思い浮かぶ坂は2つあるのだが、果たしてどっちだろう? 或いは、もっと別の坂なのか? そんなことも気になる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年07月02日 05時07分16秒
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