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LA STANZA CHIARA 〜キアラの覚書〜

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2008年05月11日
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カテゴリ:イタリア好き
2008/05/11 domenica

だいぶ前から、最初の頁にリンク貼ってる本です。
 新聞の書評を見て、その日のうちに本屋に行ったのですが、
 その本屋にはなく、その後他の店にも行ったりしたのですが、
 結局、連休前に取り寄せて貰いました。
 そもそも、私としては本を取り寄せて貰うということはめったになく、
 何回か足を運んでいる間に、手に入るものなのです。
 でも、今度ばかりは、確実に欲しかったのです。

そしていざ、手にしてみたら、先ずその装丁が素敵!
しかも大好きな落ち着いた緑色です。
そこに、幅広の、帯とは思えない素敵な写真入りの帯が付いているのです。

著者は、子供の頃見た、この写真家の作品に魅せられ、思いも欠けない動機から、
イタリアに渡り、以来20年の間に出会った周辺の人々を綴っています。

私は、ここに読んだ本のことを書いても、なるべく内容には触れず、まして引用など、
極力避けてきたのですが、今回は、心に残る表現が沢山あるので、
ちょっと引用してみようかと思います。

「私は絶対的な強さで信じるものがあることの幸福を思う。膨大な時の流れのなかで、ほんのわずかな一生という時の一片を公平に与えられて、コツコツと生涯を送る人間たち。めまぐるしい日々の合間に、それでもふと立ち止まることがある。誰にでもそんな時が訪れる。その瞬間、人間は広大な宇宙のなかで限りなくひとりだ。信じるものとは、その時のためだけにあるのだと思う。」(中略)
「それは、永遠に答えなど見つけなくてよい、ということだ。信じることの向こうに、答えのない問いへの不安を超えた何かがあるのでは、と私には思えたのだった。」


彼女は、まだ洗礼を受けてはいないようですが、見事にキリスト教の本質を捉えてます。
それは、人は何故宗教を求めるのか?ということの回答にもなってます。
いろいろな新興宗教に見られるような、所謂御利益信仰とは、根本的に違うのです。

「世界中の人々を感動させ続けてきた数々の芸術作品、オペラ作品、また古いイタリア映画などにも注目してもらいたい。果たして単なる芸術家というだけで、あんなに人の心理を深いところまで突き詰めた作品をつくれるものだろうか。人間という動物が生まれた瞬間から背負う、ある種の悲しみみたいなものを知り尽くした人たちがつくり出した作品としか、私には思えないのだ」

それは、何も芸術家達だけでなく、人生の悲哀をしっているからこそ、
楽天的に見えるイタリア人なのです。
エ・ラ・ヴィータ(これが人生)」と呟いて、すべてをあるがままに受け入れるのです。

極々普通に生きているイタリアの人達を描いて、そこに、2000年のキリスト教の歴史が、
確実に伝わっていると感じました。
これまで読んだものの中には、古い文化が今も生きているイタリアを描いたものは、
沢山ありましたが、これは、イタリアの人々の心の中を知ることの出来る、
貴重な1冊だと思いました。






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最終更新日  2008年05月17日 00時35分39秒
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