テーマ:本のある暮らし(3283)
カテゴリ:本・音楽・映画・観劇
2009/01/11 domenica
昨年末から、須賀敦子さんのエッセイを読んでます。 これまでも、単発で何処かで須賀さんの文章には触れていたのですが、 正直、あまり印象に残るものではありませんでした。 そもそも、須賀さんの文章がいいと言う友達は亡くなった後に何人もいたのですが、 私にとっては、似た名前のジャーナリスト千葉敦子さんの死の方が強烈で、 須賀さんよりだいぶ前に亡くなっているのに、しかも名前が同じという以外、 何の共通点もないと思うのに、何故か連想してしまうというのも奇妙なことです。 昨年秋の雑誌「芸術新潮」特集で、彼女の歩いたイタリア風景を紹介していたのですが、 それを見て、まとめて読んでみようかな?と、 とりあえず最初の「ミラノ 霧の風景」から3冊買ってみました。 それも私としてはおそらく初めて、本を通販で買うという珍事でした。 そして読み始めたものの、なかなか捗りません。 文体になかなかなじめず、曖昧な記憶で書いている様子に、今ひとつ乗れないこと、 なんか苛立つものがあり1冊に20日ぐらいかかってます。 それでも3冊目は、自身の生い立ちやら家族やらを描いているところが多いせいか、 前2冊よりは遙かに分かり易い気はしました。 後書きを読んでみると、やはり、何十年も経った記憶を呼び起こして書いているだけで、 リアルタイムの資料とか、登場人物を改めて訪ねるとかの調査をした様子はなく、 さりとて、物書きに限らず、たまにいる驚くほど記憶のいい人というのでもなさそうで、 明らかな矛盾点を指摘されたりしている。 ファンは、そんな曖昧さも、文面から感じる育ちの良さとか上品さとか、 そういったものと一緒くたにして好ましいと思っているのかも知れないのですが、 私は一寸いらっとします。 でも、このエッセイの小径シリーズあと2冊は読もうと思ってます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月12日 11時45分30秒
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