テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本・音楽・映画・観劇
2009/05/18 lun.
久しぶりでちゃんとした本を読んだ気がします。 著者が編集者だった頃、仕事ではなく幸田家を訪れては、 幸田文自身が千代紙を貼ったマッチ箱を貰ってきたことから、 作家の姿を描いて見せてくれます。 幸田露伴という大作家というより文学者を父に持ち、 家事すべてをその父に厳しく仕込まれた様子は、 かつていくつかの作品で読んで,かなりの衝撃でした。 でも、それは極端に厳しい父と、それにひたすら耐え続けた娘、 という構図でしか見てなかったことを、今回覚らされました。 この文豪の娘への愛情は実に深いものであり、 また、娘は父を敬愛しながらも、戦う相手とという位置に置いて、 自分自身を向上させていく。 これこそが、ほんとの親の教育というものかと思っていまいました。 私が読んだ露伴の作品は「風流仏」と「五重塔」の2冊。 確か高校生の頃だったと思いましたが、とても感動したのを覚えています。 この本から浮かび上がる露伴は作家というより教育者。 引用されてる幸田文の魅力的な文章の後ろに、 しっかりと見えてくる気がします。 それをまた、著者の村松友視が、 実にいい距離を保って書いている作品だと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月26日 02時14分29秒
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