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カテゴリ:地形図の話
先日、「山岳地形と読図」を、今まさに読み始めたという
関西方面にお住まいの方と電話でお話しする機会がありました。 (ここから、本がないと、ちょっとわかりにくい話になります) その方は、 14ページの地図で、Aは沢で、Bは尾根ではないか、 ここでつまずいてしまって先に進めない、 とおっしゃるのです。 しかし、どこからどう見ても、Aが尾根で、Bが沢です。 「1288がピークで、そこから見て 等高線が外に膨らんでいるラインですから、尾根ですよ」 と説明しても、どうしても納得してくれないのです。 話が噛み合わないまま、10分近く押し問答しているうちに、 はっ、と閃くことがありました。 「本を逆さまにしてもう一度見てください」と私が言うと、 電話の向こうでガサガサと音がして、それから、 「あっ」と声が挙がりました。 その方は、等高線を立体視していたのです。 等高線を立体視する方法は 「山岳地形と読図」の55ページでも説明しています。 ピーク側から地図を見ると、 尾根が盛り上がり、沢が窪んで見える、というものです。 しかし、地図を逆方向から見ると、 尾根が窪み、沢が盛りあがって見えてしまうので、 地図をつねに方位に合わせて見る実際の地図読みでは、 使えないのです。 笑い話といえば、それまでですが、 私には示唆に富んだ会話でした。 人は何かの拍子にものすごい思い違いをします。 それに自分で気づくことは不可能に近く、 今回はたまたまうまくいきましたが、 ふつうは、端がそれを指摘するのもまた至難です。 地図読み講習会での説明のし方においても、 私自身の地図の読み方においても、 ましてや、日ごろのものの見かたにもおいても、です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月07日 06時21分19秒
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