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テーマ:京都。(6118)
カテゴリ:国内の旅
■秋の京都&奈良の旅-その13■(今までのお話はこちらから)
京都の旅3日目です。この日の午後には、もう九州へ戻らなければなりません。私の予定としては、南禅寺、知恩院の2コースで、京都を発つ前にホテルでいただいた京都タワーの無料チケットを使って上るつもりでいました。なので、前日の夕方に無理やり国立博物館へ行ったのです。ただ、この予定は大きな誤算でした。なぜなら、私はひとつの場所に半日でも、1日でもいられるくらい、そこを集中して見て歩きまわる人だったからです…。 さて、京都の名前の通った寺社はある程度見たことがあるのだけど、南禅寺へはまだ行ったことがありませんでした。ここにある水路閣を見てみたかったし、名物の湯豆腐を食べてみたかったのです。豆腐が大好物の私、どんくらいおいしいものなのかやっぱりちょっと食べてみたい…ってことで。 ということで、地下鉄を乗り継いで蹴上(けあげ)に到着。前日までの雨はすっかりあがり、気持ちいいくらいの青空でした。前日はあんなに歩き回ったのに、足取りも軽い私。歩いて数分で南禅寺…と、ふと歩行者通路の右手を見ると、レールが引いているんです。もしやこれは…と思って立て看板を見ると、やっぱりそうでした。それは、インクライン。京都に来る前、京都の隠れ名所の本を読んで来たのですが、その本に書いてあった、そのインクラインでした。 鉄道みたいでしょ?でも、ここは人を乗せるための鉄道ではないんですね。これはかつて、舟を乗せるために作られたレールなのです。 京都は昔から水不足に悩まされていました。そこで、琵琶湖からなんとか利水したいと考え、人工の水路、琵琶湖疎水が作られました。この疎水は東山から北に向かって走っています。発電、舟運、農業用水、飲料水に役立つ琵琶湖の運河が第二疎水まで完成したのは明治末期だといわれています。第一期工事では、三井寺トンネルをくぐって蹴上まで、さらに南禅寺の舟だまり経由で鴨川へいたり、宇治川へ合流する20kmは、明治23年にはすでに完成していました。 このとき、疏水の蹴上と南禅寺の舟だまりにはおよそ36mの高低差があり、そのため大津からの舟は蹴上から先に進めませんでした。そこで舟を台車に乗せ、ケーブルカーのように舟を上り下りさせたのです。そのレールがこのインクラインで、日本で最初の傾斜鉄道でした。現在は使われていませんが、国の史跡に指定されています。 この近くに琵琶湖疎水の展示があります(無料)。 展示は時間がなくて見ることができませんでした。また南禅寺に訪れる機会があったら、そのときはぜひ見学しようと思います。 つづく♪ ------------------------------------------------------------------ 余談ですが、水に関する話題なので…。 12月4日と5日に別府市で「第1回アジアー太平洋・水サミット」が開催されます。アジアと太平洋地域の首脳陣、日本とオランダの皇太子も出席されます。少しだけかかわることになりました。某団体の作る小冊子に私の写真数点が採用されることになり、短いコメントも書かせていただいています。それと、簡単な英訳も…。仕事が休日の日でも、水辺に足を運んで写真を撮る日々で、疲れてはいるのですが、こうして近場の水辺をめぐっていると、大分は水が豊富で美しく、恵まれているんだなぁ…としみじみと感じてしまいました。大切な水資源を確保するために頑張っている人たちが世界中にはたくさんいます。地球温暖化で海面が上昇し、消滅してしまいそうな国もあります。それを思うと、今ある美しい水資源の保全など、環境問題についてもっと真剣に考えなければならないなと思う今日この頃です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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