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テーマ:北九州の旅(24)
カテゴリ:国内の旅
1年ほど前の門司散策記のつづきです。
出光興産、きっと誰もがその名前、あるいはシンボルマークを知っていることと思います。ガソリンスタンドで見かける、赤とたぶん黄色で描かれた人の横顔のマークです。その出光興産は昭和15年(1940)に北九州市で創業されました。ちなみに、創設者である出光佐三(いでみつさぞう)は現在の福岡県宗像市の出身です。 その出光佐三が長年にわたって収集した美術品を展示するため、昭和41年(1966)に東京は丸の内、帝劇ビル内に出光美術館を開館しました。また、大阪市と福岡市にも分館がありましたが、出光興産創設の地である北九州市の要請で、門司港レトロの倉庫跡を利用して平成12年(2000)にオープンしました。福岡県は出光氏の出身地でもあるからか、出光佐三の生涯を紹介する「出光創業史料館」が併設されており、出光興産本社にあった当時の執務室が移築・再現されています。これがなんと言っていいか、安っぽいドラマの社長室のセットのような感じでね…。あ、よーくできてるってことですよ! 出光美術館 私が訪れたときは、水墨画展が開催されていました。わたしは日本画や水墨画が好きだし、俵屋宗達、長谷川等伯、竹田出身の田能村竹田なんかの作品が展示されていたので、もちろん見に行きました。館内はあまり広くないけど、倉庫跡とは思えないほどきれいで、ゆっくりできる空間です。 それから、出光創業資料館、ここがなかなか興味深かったです。出光佐三の生まれた頃はもちろん、戦前の北九州市の様子、会社が戦争をどう切り抜け、再興したか、戦後の発展の様子が分かりやすく展示されています。出光佐三を知らなくても、たぶんおもしろいと感じる展示じゃないかなって思います。終戦後、ほとんどの企業が人員整理で多くの従業員のクビきりをしたといいますが、出光氏は約1000名、誰1人の解雇もしなかったそうです。この出光佐三の97年の生涯、さーっと垣間見ただけでもすごい人だったんだなぁと感じてしまいました。 観光コースからは少しだけ外れた場所にあるけど、訪れる価値のある美術館です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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