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テーマ:山口県(129)
カテゴリ:国内の旅
■山口・長門の旅・その5■
湯田温泉に来た目的は、実は温泉ではありません。わざわざここまで入りに来なくとも、私の住んでいるの辺りには全国的に知られた温泉郷がゴロゴロとあるのです。湯田温泉に来た目的、それは、中原中也記念館に行きたかったからです。本当は2年前の生誕100年の時にここを訪れたかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。 「東洋のランボー」と呼ばれる中原中也はこの湯田温泉に生まれました。今現在、記念館のある場所は、中也の生家があった場所です。 このすぐそばに記念館があります。 私は中原中也の詩の世界が好きです。詩集は1冊しか持ってないのですが、わずか30年の人生で、350篇の詩を遺したのだそうです。短い人生の間に書かれた繊細な詩の世界、ここに訪れるまでの中也像は、病弱で傷つきやすい繊細な美青年だと思っていました。 確かに、中也の写真を見るとかなりの男前です。しかし、ここで中也に対するイメージはがらりと変わってしまいました。おちゃめ、いたずら好き、人気者、破天荒、変人…。彼が友人に宛てた手紙の内容を見ると、あ、あ、あ、あれ~?ってなってしまいました。しかも、フランス詩を日本に紹介したという人だから優等生かと思えば、落第とかしちゃってるし。イメージダウン?いいえ、その逆です。すごくかわいらしい人だって思いました。 しかし、やっぱり繊細な人だったんですね。幼い長男の死にショックを受け、心身ともに衰弱してしまい、30歳になる前に他界してしまいました。故郷への移住も実現しないままに…。 向かいの酒屋さんの前にある、中也の詩の一部。 小さい博物館ですが、中原中也の魅力が凝縮された記念館です。彼がどんなに友人たちに愛されていたのかがよくわかります。中也の人物像がもっと好きになり、詩もたくさん読みたくなりました。 つづく… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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