先日に引き続き、9.11関連の「ワールド・トレード・センター」を
試写会で観てきました。
テロの標的となり黒煙をあげるWTCビルに救援に向かうものの、
倒壊したビルの下敷きになった、2人の警察官が生還した実話。
主演はニコラス・ケイジ。
瓦礫の下敷きになってしまうのが、
映画が始まって間もなくのこと。
『このあと2時間近くもこのまま』と思っていたら、
本当にそのままでした。
もちろん、映像は回想シーンや心配する家族が映されるので、
痛そうなニコラスの顔をずっと見るわけではありません。
素直な感想を述べると...
ただ、ビルの下敷きになった人が助け出されるだけの話。
使命に燃えて我が身を振り返らずに、
崩壊間近のビルに入って行ったことや、
その警察官を助けるために、
死を覚悟して救出に向かうレスキューには頭が下がります。
そして行方不明の夫(父)を心配する家族の思いには涙が出ました。
でも、これはわざわざ映画にする必要があったのか
実際の出来事を報道するにとどめる方が良かった気がします。
映画としては9.11の事故である必要性がまったく無い
テロの被害者であることを忘れてしまうくらい、
テロの話が出てこない。
中途半端なカンジ。
確かに、いつ助けが来るかもわからない中にあって、
生きる希望を捨てない、であるとか、
使命のために死さえもいとわない人々がいること、とか、
素晴らしいメッセージは盛り込まれていますが、
私には9.11に便乗した映画としか思えませんでした。
脚本が稚拙で、お金をかけただけ。
興行映画として作るなら、
9.11で事故に巻き込まれたことは事実であっても、
逆に9.11と切り離して描いた方が、
よっぽど面白い映画になったと思います。
主演がニコラス・ケイジだし実話だし、期待して観ましたが、
見事に期待はずれでした。
一緒に観た旦那も同意見。
同じ9.11をテーマにした『ユナイテッド93』は
周りにも薦めたくなりましたが、これは特に薦めないなぁ。
私と異なった感想を持たれる方もいらっしゃるでしょうから、
気になる方は気にせずに観てくださ~い。