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カテゴリ:小学生の読む本
「チョコレート工場の秘密」が映画になるそうですね。二度目の映画化になります。
ロアルド・ダールという人は、英米では知らない者はいないほどの作家なんだと聞きます。「チョコレート工場」はその中でも児童文学の代表的な存在のようです。 でも、ちょっと待て。この本はほんとにファミリー向けなんだろうか・・・?と疑問がよぎります。 よそのブログのかたで「カルト児童映画」と書いていたかたがおられましたが、まさにそのとおりだと思います。これは、「カルト児童文学」です。 貧しいチャーリー君がチョコのアタリくじをゲット。憧れのチョコレート工場に招待されます(ゾロリにもそんなネタありましたね)。でも、社長のワンカ氏というのが怪しすぎる人。ワンカ氏のチョコレート工場はチョコレートの川が流れていて、砂糖菓子の船が浮いていたり、秘密の実験室があったり、とにかく不思議がてんこもり。子どもはきっとワクワクすると思います。 でも、大人が見ると、かなりヤバメなところも多い本なのです。 例えば、あえて書けば、ギスギスのチビ、デブ、きちがいなどの言葉が並んでいて、気の小さい私は読んでいてうろたえます。また、チョコを作っているのが「ピグミーの小人」で、アフリカから連れてこられ、働かされているんです。かなり居心地悪い本なのです。 もし発禁にするのであれば、チビクロサンボよりもこっちの方が先だったんじゃないかと思うほどです。。。 アタリくじで招待された子どもは全部で5人。チャーリー以外は、まるでハリー・ポッターのいとこ、ダドリーのような子ばっかりです。その子どもたちが次々ととんでもない目に遭っていきます。 でも、最後には幸せが・・・。 すごいブラックユーモアというか、ダークな部分があるのですが、不思議なバランス感覚があって、結局面白かったと思っている自分がいます。問題のある子は罰せられるだけなのかと思ったら、その子たちもなんとかなって、ちょっとほっとします。 ファンタジーの中に、現実のみにくい部分、しんどい部分、思うようにならない世の中などが包み隠さず描かれていて、子どもの本でそれに出会ってしまったためにうろたえてしまうわけです。 でも、子どもはすなおにストレートに読んで楽しむようです。 新しい映画は、なんと「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のティム・バートンが監督。このかたは、以前ダール原作の「ジャイアント・ピーチ」も映画化しています。 きっと原作のダークな部分を掘り下げて見せてくれるんだろうなと思います。 そしてワンカ氏がジョニー・デップ!!すごいはまり役かもと、期待大です。でも、以前ロック界のワンカ氏、マリリン・マンソンも名乗りを挙げていたという記事も読んだことあって、こちらも見たかったかなとちょっと残念です(でも、ホラーになってしまうからボツ)。 私の感想文おすすめ図書(中学年)にこの本もあえて入れてあります。 子どもはどんな感想文を書くんでしょうか? すなおに面白かったと書く子が多いでしょうか。もしかして、すごく面白い感想を書く子もいるんじゃないかと、ちょっと気になります。学校推奨でないことは確かだと思います。 *私が持っている本は、評論社てのり文庫版なのですが、もしかして新しいものでは訳が大改訂されているんじゃないかと思いつつ、まだ手に取っていません。 違いがわかるかたがいらっしゃいましたら、教えていただけませんか? チョコレート工場の秘密 ★ロアルド・ダールの著作リンク★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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