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カテゴリ:感想文
「わすれられないおくりもの」スーザン・バーレイ作
「賢くて、いつもみんなに頼りにされているアナグマだが、冬が来る前に「長いトンネルの むこうに行くよ さようなら アナグマより」という手紙を残して死んでしまった。悲しみにくれる森の動物たちは、それぞれがアナグマとの思い出を語り合ううちに、彼が宝物となるような知恵や工夫を残してくれたことに気付いていく。そして、春が来る頃には、アナグマのことは楽しい思い出へと変わっていった。 」 幼稚園ごろからでしょうか。子どもは「死」というものを知り始めます。 まだ生まれてからそんなにたっていなんですから、子どもには「死ぬ」などということは到底信じられないことです。 もちろん、おとなだって、そう簡単に受け入れられるものではありません。頭でわかってはいても、自分が死ぬということは受け入れがたいから、ずっと生きているように信じ込んで暮らしています。 子どもが「死」の存在を知ったとき、親にも試練が待ち受けています。 子どもは「お母さん、お母さんは死なないよね」「死んだらどうなるの?」「死ぬのは怖いよ」など、いろいろな形で「死」について質問をしてきますが、子どもは「大丈夫、絶対死なないのよ」という答えがほしいんですよね。 それがわかるだけに、また、自分にとっては答えがわからないものだけに、説明するのが苦しいです。 今、うちの息子がそんな時期に来ていて、「ずっとこのままでいられたらいいのに」と言ったり、夜寝る前に「死にませんようにッ」と言って手を合わせてお祈りします。 ・・・余談ですが、うちは無宗教というか、不信心なので、祈りなさいと言ったことはないのですが、何に祈っているんでしょう? これもまたすごいなと思います。 この本では、森の動物たちみんなに頼りにされていたあなぐまが死んで、どうぶつたちは途方にくれるのですが、あなぐまの思い出を語っていくうちに、癒されていきます。 人は死ぬから、生きているこのときが大事だということ、生きることの素晴らしさを教えてくれる本です。 そうなんだ、死ぬことも知らなければいけないけど、生きることの大切さを教えていくべきなんだと、方向転換させてくれる本でした。 ただ、これを息子に今読んでやりたいんですけど、まだできずにいます。 私が泣いちゃうんです。 ちょっとトレーニングしてからトライします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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