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Jul 28, 2005
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カテゴリ:感想文
こぎつねルーファスのぼうけん
 「こぎつねルーファスのぼうけん」アリソン・アトリー/石井桃子

「みなし子のこぎつねルーファスは、アナグマさん一家と一緒に暮らすことになりました。無邪気でユーモラスなこぎつねが森の自然の中でくりひろげるほほえましい冒険談。」
↑楽天ブックスのあらすじ

夏休みに入ったら、外は暑いし、家の中でゴロゴロ。近所の子たちも外では遊べないので、遊びにきてはみんなでゴロゴロ。といっても、大体はゲームになっちゃいます。近所の子が連れてきた犬やらうちのネコまでいて、けっこうにぎやかです。

1人でいるときは、ほっとくとコロコロコミックやカービーのマンガにいっちゃいます。
今日も朝起きてすぐマンガに手を伸ばしているので(いえ、マンガでもいいんですけど)、たまたま手近にあった「こぎつねルーファス」という本を読んでみたんです。
はじめの文が、「こぎつねのルーファスはお父さんもお母さんもなく、ひろい森に一人ぼっちで住んでいました」。
で、ハリエニシダのしげみで泣いているところを、あなぐまかあさんに声かけられて「おかあちゃん、いなんだ。うち、ないんだ。なんも、ないんだ」。
これで、「え、何の本?」と、めでたく誘致成功。
やっぱつかみが大事だよと、今日は思ったのでした。
石井桃子さんの訳が、とても素晴らしいです。

この「ルーファスのぼうけん」は、「グレーラビット」でご存じのかたもおられるかもしれませんが、アリソン・アトリーという作家が書きました。
動物ものが多くて、ピーター・ラビットと一見似ている感じなので、「ああ~」と思われるかたもいるかもしれません。
でも、このアトリーの作品は、のどかな田園風景の中にちょっとばかり危険もひそんでいて、それがストーリーの中に影を落とすんです。

例えば、ルーファスはかわいそうなみなしごで、親切なあなぐま一家がそだててくれることになりましたが、森の弱い動物たちを狩るキツネの子なので、なかなか警戒心は捨てきれません。森のほかのどうぶつたちにしても同様です。ルーファスはそんな宿命を背負っています。それでもルーファスは、一生懸命好かれようとし、まわりもその無垢な心を愛らしいと思うようになります。 みんなが何かを乗り越えて、お互いを受け入れます。
アトリーの書くストーリーには、ちょっと切ない感じがつきまといます。

正々堂々とまっすぐな話というのは、子どものまっすぐな心を育むために必要だと思います。
でも、心の中にはいろいろ曲がりくねった道や暗い茂みもあるわけで、最近人の生き死にやオモテウラみたいなものを知り始めた息子も、そんな森の気配のようなものに気づき始めているようです。
そんなわけで「ルーファス」をどんなふうに読むかなと、ちょっと興味シンシンでいます。





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最終更新日  Jul 28, 2005 05:43:02 PM
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