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カテゴリ:幼児の絵本
ティッチ 兄弟の宿命・・・。 先に生まれた子は「おにいちゃん(おねえちゃん)なんだから、下の子のめんどうを見てあげなさい」と言われ、下の子のしでかした不始末に叱責される宿命を負っています。 下の子は、上の子のお下がりをもらったり、能力的についていけずに上の子にうとましがられ、つらい思いをするのが宿命・・・。 「ティッチ」はそんな兄弟の構図を末っ子の視点から見たお話です。 実はこの絵本は最近まで知りませんでした。 お手伝いしている子ども文庫が主宰する読み聞かせで読んでいた方がいたのでした。 ストーリーは、 「末っ子のティッチの持ち物は、みんなお兄さん、お姉さんよりちっぽけな物ばかり。何をやってもかないません。でも、ティッチのいちばん小さな持ち物だった種が芽を出し、お兄さん・お姉さんを追い越すほど高く伸びたのでした」 という感じです。 上の子と下の子の大きい・小さい比べのストーリーで、特にドラマチックなストーリーがあるわけではないので、今まで正直言って注意を払わなかった本です。 ところが、息子にためしに読んでみたら、けっこううけるんです。 ティッチに完全に自分を重ね合わせているので、ティッチのやることなすことに突っ込みを入れながら、何度か読みました。 子どもには文字どおり「身の丈に合った」、共感できるお話なんですね。 ティッチのおにいちゃん、おねえちゃんと同年代の子がこれを見たら、きっと違う目でティッチを見るんでしょうね。 絵もとてもきれいな色使いで、デザイン的に素晴らしいと思います。 読み聞かせするときも、とても子どもたちが見やすいと聞きました。 人物と最低限の背景以外はなく、子どもたちの表情がきわだって見えます。 表紙をめくってすぐにある三つのくつ、干してある洗濯物の配置が、これから始まるきょうだいの宿命の闘いを暗示しています(おおげさ)。 子どもがいてこそ出会った本だなーと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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