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カテゴリ:幼児の絵本
ねむりひめ おおかみと七ひきのこやぎ フェリクス・ホフマン(1911-1975)は、スイスの絵本作家です。 昔話を題材にしたものが多いのですが、ホフマン流の解釈が加えられています。 ホフマンの絵本は、それぞれ自分の娘や息子、孫の誕生日などにプレゼントした贈り物なのだそうです。 そのため、それぞれの本に、家族が見たらわかる何かがたくさん散りばめられているらしいです。 例えば「ねむりひめ」。表紙に王様と姫が描かれていますが、きっとホフマンと娘なのではないかと思います。ネコも自分のネコなんじゃないでしょうか。 この表紙の絵は圧巻です。これは呪いのために、国中の糸車を焼いているところを塔から見下ろしている絵なのですが、父の表情がいろいろな感情を語っています。子どもを不憫に思うだけでなく、自分を責める気持ちや子どもの未来への不安や愛しさ、さまざまな思いが現れていて、子どもの幼い顔と対照的で、私はこれを見ただけで切なくなってきます。家族をお話の中にすえることで、ストーリーに魂が入ったような感じがします。 「おおかみと七ひきのこやぎ」も、しょっぱなからお母さんやぎがエプロンをつけていて、すごい違和感があります。多分、お母さんがこんなエプロンしてて、子どもたちが見たら大うけなんでしょう。 狼がパン屋を脅して足を白く塗るための小麦粉を取ったり、おいおい、と思うんですが、きっと近所のパン屋さんだったりするんでしょう。子やぎたちも、家族が見たら、この子はだれとわかるように描かれているらしいです。でも、怖い狼や狼の末路など、昔話の雰囲気は損なわれていないと思います。 とにかく私情をはさみまくりですが、それがかえってお話に感情移入させてしまうんです。 絵が素晴らしいです。赤ちゃんが生まれたあとのお后の表情、子どもを心配する表情、守ろうとする表情、みんな自分が知っている顔です。それをそのまま絵に写せるというのはすごいなと思います。 私は昔話は、時代の道徳観や脚色で変えられていない昔のままの話で読みたいと思いますが、ホフマンはちょっと別格扱いです。 実はまだ読んでいませんが、「クリスマスのものがたり」が、すばらしいらしいですよ。 読んだらまた、感想を書きますねー。 読んだかたいらしたら、どんなだったか教えてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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