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カテゴリ:幼児の絵本
あなはほるものおっこちるとこ クラウス文・センダック絵 わたなべしげお訳 こどもの見る目とおとなの見る目って、違いますよね。 例えば、水たまり。 おとな 「靴が濡れて気持ち悪いので、入ってはいけないところ」 こども 「バチャンて入ったら、音がして水がはねて楽しいところ」 そして、この本のタイトルのように、「あなはほるもの おっこちるとこ」なのです。 副題に「ちいちゃいこどもたちのせつめい」とあるように、こどもたちから見たいろいろな物事が描かれています。 詳しいことはわかりませんが、作者のルース・クラウスは、保育園や幼稚園の子どもたちに取材して、この本を書いたようです。 前回、マッシュポテトの話で書いたのですが、 「マッシュポテトはだれでもすきなだけたべられるもの」 外国の映画や本で、てんこもりにしたマッシュポテトをテーブルにどかんと置いて、付け合わせとして好きなだけ取り分けているのを見ることがありますが、日本だったらなんだろう。ご飯山盛りおかわりっ!という感じでしょうか。 ほかにちょっとご紹介すると、 「かおはいろんなかおをするためにある」 「いぬはひとをなめるどうぶつ」 「おやゆびはひょこひょこうごかすもの」 「おにいさんはぼくをたすけてくれるひと」 「かいだんはすわるとこ」 そして 「てはつなぐためにあるもの」で、 「うではだきあうためにある」のです。 絵は、モーリス・センダック。 「かいじゅうたちのいるところ」や「まよなかのだいどころ」のイメージで見ると、何かいたずら書きみたいなラフな絵なのですが、「これぞ子ども」っていう感じがして、とてもいいんです。 頭が大きくて、手足がちびっとしてて、足をがばっと開いていたり、へんな顔をしていたり。かわいくてかわいくて、ほおずりしたくなるような子どもたちがいっぱいです。 そんなわけで、センダック好きの私ですが、この本は中でもマイ・ベストかなというくらい好きな本です。 子どもは感じたことを、知っているありったけの言葉や知識にたくさんの想像を混ぜ込んで、面白い説明をしてくれます。どの子にも、その子だけのことば辞典があって、「あな」には無限の使い方がみつかるかもしれません。 さっきの水たまり。息子がはじめて長靴をはいて、水たまりに足をつけた瞬間の顔を覚えています。 はっとして、それから水をそっと足でかきまぜて、今度は思いっきりバチャバチャ足踏みして踊り始めました。 たまたま、後日テレタビーズというイギリスの子ども番組を見てたら、主人公のテレタビーズたちが水たまりで同じことをしていたこともあり、それを見た息子の雨の日の定番遊びになりました。 息子が言葉をしゃべり始めてから今まで、すごく楽しい思いをさせてもらっていますが、言葉というのはこぼれていくもので、覚えていたかったのに多くは忘れてしまっています。大事なものを落っことしてしまったような気がして、語録をメモで残しておけばよかったと後悔するんですが、なかなかできませんよね。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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