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カテゴリ:小学生の読む本
お手伝いに行っているこども文庫で教えてもらった本ですが、「王さまと9人のきょうだい」という中国の民話があります。 9人の兄弟は姿形がそっくりの九つ子ちゃんなのですが、それぞれが特別な能力を持っています。 あるとき、力持ちの長男が王さまの宮殿で倒れた柱を直したところ、王さまは感謝するどころか、その力を怖がって殺そうとします。そして、無理難題を吹っかけるのですが、そのたびに、火に燃えない兄弟、おぼれない兄弟、切っても死なない兄弟などが次々に入れ替わって、しまいに王さまをやっつけてしまいます。 これは読み聞かせをすると、子どもたちに大うけする本の一つだそうです。 もう1冊、「シナの五にんきょうだい」という本があります。こちらは、フランスかアメリカの作家の本ですが、この9人兄弟の民話から再話してコンパクトにした本らしいです。 こちらは、全然勧善懲悪ではなくて、海の水を飲み干せる兄弟が干上がった海で魚を取っていたら子どもがやってきて、陸にどうしても上がらないのでこらえきれずに海水をもとに戻したところ、子どもをおぼれさせてしまいます。そこで死刑を宣告されるのですが、上の9人兄弟のように次々特殊能力を持った兄弟が入れ替わり、結局どんな罰を加えようとしても死なないということは、罪を犯していないという天の思し召しだろうということで無罪になりましたというお話です。 息子に見せたら、何度も読んでいました。 どちらの本も繰り返しの中で少しずつ新しい展開が起こって、次はどうなるんだろうと、わくわくします。 ただ、違いといえば、「王さまと9人のきょうだい」は伝承ですから、耳で聞いて楽しみますが、「シナの5にんきょうだい」は、絵で楽しむ本かなと思います。 随分昔(1930年代)の絵本なのですが。今見てもまるでギャグマンガのようで、すごいインパクトがあり、笑ってしまいます。 特に長男が海の水を吐き出さないように極限まで頑張っている絵が、爆笑です。 コロコロコミックという雑誌に「でんじゃらすじーさん」という大暴走ギャグまんががありまして、ちょっと似たとんでもなさを感じてしまいましたが、とにかく強烈な印象です。 ↓ものすごいヘンな絵ですみません。ブツが手元にないので、イメージですが・・・長男こんな感じですが、もっともっと面白い絵です。 ↓ついでに、「じーさん」ってこんな人 5人兄弟の話は、一度絶版になっているそうです。 「シナ」という言葉は、フランスでは中国の呼称としてふだん使っている言葉なので、出版社でも差別問題などを承知しながら、あえて使用(復刊)しているようですが、はじめこのタイトルはけっこう抵抗感があって、「ちびくろサンボ」同様、私の中では封印されていた本です。 先日、読み聞かせの集まりで見る機会があって以来、かなりのインパクトを受けてしまい、もしかしたら、ストーリーよりもそのことで賛否があるかなとも思いましたが、「王さまの耳はロバの耳」状態で、紹介してしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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