|
カテゴリ:楽器
相当前にアコギ材のトップ編を書きましたが、久し振りに材について書いてみようと思います。
今回はボディ編と言う事ですが、私の知識の範囲内で書き進めて行きますので 多少の誤認はご勘弁を(先に謝っとこ) 今アコギに使われているボディ材は、大きく分けて三種類になります。 (ポピュラーな材と言う意味で) これらの材は、結構エレキにも共通して使われる材が多いです。 まずは・・・ 【マホガニー(紅木)】 多数ある木材の中で、最も使われている材と言えるでしょう。 俗に言う高級品には余り使われませんが、初心者向けから多少高額なギターまであり この材を使っていないメーカーは皆無と言って良いと思います。 大きく言えば、ベニヤも原材料はマホガニーですから(笑) 現在マホガニーを使ったギターの中で、最も知名度が高いのはGibson J-45でしょう。 山崎まさよしが登場するまでは、マホガニーと言えばMartin D-18でしたが 山崎がJ-45及びサザンジャンボを使ったお陰で、現在断トツの知名度を誇っています。 素材的には、ホンデュラス産のマホガニーが最良とされていますが 現在は乱伐の影響で数が激減しており、高級材に分類されています。 マホガニーと一口に言ってもその種類は無数に有り、マホガニーと称される材でも どこどこ産と断定する事は非常に難しいと考えます。 音質的には軽めの音で低域が不足気味ですが、その分中高域は他の追随を許さない 暖かな音とレスポンスの良さが特徴と言って良いと思います。 高域の抜けが良い為、カントリー系のミュージシャンではマホガニーのギターを フェイヴァリットギターとしている人も数多く見られます。 (但しMartinに限定されますが(笑)) 【ローズウッド(紫檀)】 マホガニーに次いで多く使われ、高級の部類に入るギターの大多数を占める材です。 ローズウッドも数多くの種類が存在しますが、今までポピュラーに使われていて ブラジル産のローズウッド(通称:ハカランダ)が最もギターに適した材と されてきましたが、現在はやはり乱伐の影響で数が激減しワシントン条約に 指定されています。 1969年までは当たり前に使われてきたハカランダですが、それ以前から供給面で 不足しがちになり今までは端切れとして捨てられていた材も有効に使えるよう 1966年にMartinがD-35をスリーピースバックと初めて販売しました。 ツーピースバックよりも小さな材で製作が出来る事と、音質が柔らかく 弱いピッキングでも反応が早いと言うメリットがあった為、当初はフィンガーピッカーの フェイヴァリットギターとされ、新しい工法を取ったにも関わらず成功を収めました。 (アコギ系の人は、結構保守的な人が多いです(笑)) ハランダの特徴としては、他のローズウッドよりも高域が出ると言うメリットがあり 重厚な低音と合わせてオールマイティに使えると言う点が上げられると思います。 しかしながら、弾き込まれていない新品のハカランダは、他のローズウッドと比べても 差はなく、弾き込んでいって(乾いていって)初めて出てくるメリットであり 個人的な考えでは、アメリカへの輸入が楽だった(鉄弦ギターはアメリカで発展した)為に 数多く使われたのでは?と思います。 現在ポピュラーなインディアン・ローズウッド(東インド産)と比べても そこまで大きな違いはなく、弾き込んでいって初めてちょっとした違いが分かる程度で 希少価値的な物が大きく作用していると考えます。 しかしながら、インディアンさえも今日では数が減ってきており 代替として色々な材が試されています(ボリビア産とか) マホガニーに比べ密度が高い為、鳴り始めるまでにかなりの時間を要しますが その分ブレーシングなどの工夫で、新品から鳴るギターも存在します。 基本的には、マホガニーと対極にある素材と考えても良いでしょう。 【メイプル(カエデ)】 この材は、元々アーチドトップの製作を主に行っていたGibsonが得意とする材で ローズウッドよりもさらに密度の高い、硬い材となっています。 特徴としては、材の硬さに比例して明るい音がしますが、それは飽くまでも 弾き込んでからの話しで、新品で鳴るギターは殆ど見当たりません。 代表的なギターとしては、J(SJ)-200が上げられますが、ヴィンテージに入る ギターも含めて(弾き手が)気持ち良いと感じるギターは皆無でした。 逆にJ-185の16インチボディ(J(SJ)-200は17インチ)の方が弾き手に音が ダイレクトに来るので、弾いていて気持ち良かったです。 (J(SJ)-200は遠鳴りはするが、弾き手は気持ち良くない) この材も杢の出ている材(タイガーストライプ、フレイム・グレイン、バーズアイ等)が 良材とされていますが、杢は基本的には木の歪みであって音質に関しての差は 杢の出ていない材と、殆ど変わりはないと言って良いでしょう。 バイオリンなどの裏板に好んで使用されていますが、見た目の美しさが大前提として 使われている事の方が多いように思えます(杢の出た材の方が硬いと言う話しもありますが) ただ、メイプルはエレキの方が多方面で使われており、アコギではエレキ程 一般的な材ではないと言えると思います。 (最近では、試験的にMartinも使ったりしていますが) 現在では、コア・ウォールナット(クルミ)等上げれば切りのない程多くの材が 使用されていますが、殆どが新素材の開拓の為に使われており 上記に上げた材以外の物は、殆ど単発的なモデルとなっています。 (ちなみに、ハワイアン・コア以外はコアに似た物とされているようです) 私自身、色々な年代・材・メーカー・スタイルのギターを弾いて来ましたが 自身の結論から言えば、同材質ならば新品に然程の違いは見られず 弾き込んで行って、初めてその材質を語るに値するギターへとなっていく。 新品のギターを並べて幾ら論じて見ても同材質(特にローズウッド)では 五十歩百歩の論議にしかなり得ない、そう感じています。 最悪の時代と称された’70年代のGibsonでさえ、材が乾き弾き込まれた物は 現在の新品に勝るとも劣らない音を醸し出しています。 メーカーがどうだ・材がどうだと言う前に、手持ちのギターを思い切り弾き込んで見るか 楽器屋に行って、ヴィンテージと言われる弾き込まれたボロギターを弾いて見る事を 私はお奨め致します。 ヴィンテージギターのお陰で、弾き込む事が最良の音を得る一番の方法だと 教えて貰った私でありました。 以上、一巻の終わり!ご清聴(精読?)感謝です<(_ _)> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[楽器] カテゴリの最新記事
|