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2015.09.11
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カテゴリ:災害・防災
台風18号から変わった低気圧の影響で、関東や東北では10日も雨が続き、栃木県や福島県では50年に1度の規模の記録的な大雨となった。

茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊し、住宅が流され、市街地が広範囲に浸水。12人が行方不明になっているという。栃木県でも、1人が心肺停止状態で見つかり、別の川に流された1人が重体となったほか、読売新聞のまとめでは全国で25人が重軽傷を負った。被害全容はつかめておらず、さらに増える可能性がある。東北は11日も激しい雨が続く見込みで、気象庁は引き続き注意を呼びかけている。

同庁によると、10日午後6時までの48時間雨量は、栃木県日光市で614ミリ、鹿沼市で483ミリ、茨城県古河市で271・5ミリを記録するなど、関東や東北の11か所で観測史上最多を更新した。同庁は10日未明から朝にかけて栃木県と茨城県に大雨の特別警報を発表、同日夜に一部解除した。

鬼怒川は10日午後0時50分頃、常総市新石下付近(川幅約430メートル)の左岸堤防が約20メートルにわたって決壊した。県によると、この決壊などで約6500棟が浸水したと推定される。

国土交通省によると、事前の浸水想定区域は約10キロ下流までの約37平方キロ。同区域には約2万2000人が住んでいるが、最大で深さ5メートルの浸水となる恐れがある。

茨城県などによると、11日午前0時までに常総市には計353人から救助要請があり、うち70人をヘリなどで救助した。ただ、要請を受けた後、12人と連絡が取れていないという。

一方、警察庁によると、午後11時現在、常総市の鬼怒川決壊現場付近で、約690人が救助を求めている。同市のショッピングセンター「アピタ石下」の約50人などが含まれているという。

同市はこの日午前2時20分に、浸水エリアを含む2773世帯、8143人に避難指示を出していた。

11日午前0時現在の読売新聞のまとめでは、このほか栃木県鹿沼市で女性が心肺停止状態で見つかった。土砂崩れに巻き込まれ、行方不明になった女性(63)とみられる。また同県日光市で排水溝を点検していた20歳代の男性が川に流されて意識不明の重体となっている。埼玉など10都県で25人が重軽傷を負った。

また、床上浸水は茨城、栃木、埼玉など9都県で227棟、床下浸水は12都県で925棟に上った。茨城、栃木、宮城の3県で7万8658世帯の21万4383人に避難指示が、千葉など7県で46万1492世帯の100万3538人に避難勧告が、それぞれ出された。

国交省によると、決壊などの河川の氾濫被害が出ているのは約30河川に及ぶ。

交通にも影響が出た。JR東日本によると、山形新幹線は10日の新庄―福島間の運行を終日運休し、11日午前も運行を見合わせる。東武鉄道では、東武宇都宮線が安塚―西川田間での橋脚の流失などにより、全線で終日運転を見合わせた。

日本道路交通情報センターによると、東北自動車道で佐野藤岡インターチェンジ(IC)から宇都宮IC間で上り下り共に通行止めとなっているほか、北関東自動車道でも、佐野田沼IC―桜川筑西ICも東西ともに通行止めが続いている。


(読売新聞より)
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強雨域は北上しており、現在は仙台で避難指示が出るなど被害エリアは広がりつつある。

鬼怒川の堤防が決壊した常総市では行方不明者が出ており、また孤立状態で夜を迎えている人も多いことを考えれば災害はまだ進行中であり、今後浸水域が広がる可能性もあるのでハザードマップ等を確認の上早めの避難を心掛けたい。

破堤箇所付近の惨状は、陸上自衛隊ヘリによる救出劇も含めてテレビが生中継したことにより、結果的に多くの人が目の当たりにすることとなった。
同じ氾濫でも内水氾濫や越流(これはこれで危険ではあるが)と破堤というものが異なることは荒れ狂う濁流を見て痛感した。
外へ出ることが危険であることはもちろん、木造家屋は名がされてしまう可能性もあり、こうしたケースでは垂直避難の限界も考えなければならないだろう。

今回目の当たりにした破堤の怖さは決して他人事ではない。
同じイメージを他の川に置き換えて考えておくことも必要だろう。
常総市の破堤箇所付近は住宅は自然堤防上に並んでおり、その背後の低地(後背湿地や旧河道)は水田地帯と、土地利用の棲み分けとしては比較的セオリー通りであったように思う。
(もちろん、微高地である自然堤防もこのレベルの氾濫だと浸水する。ただし、浸水深は後背湿地よりは浅い)

しかし、首都圏のいわゆるベッドタウンになっているような地域では、後背湿地や旧河道など住居には適さない土地条件の場所でも宅地開発がされているケースが目立つ。
今回のような破堤がこうした場所で起これば被害はさらに大きくなっていたことは想像に難くない。

荒川や江戸川、多摩川などでも破堤は十分に起こり得るわけで、その際にどんな状況になるのかこの機会に想像しておくべきではないか。
堤防は常に守ってくれるわけではない。
今回の映像から学ぶべきことは多いし、学ばなければならない。






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Last updated  2015.09.11 02:20:30
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