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2015.09.28
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カテゴリ:災害・防災
長野・岐阜両県の山麓(さんろく)4市町村による犠牲者追悼式が営まれた長野県王滝村の松原スポーツ公園では噴火発生の午前11時52分、遺族約150人と地元関係者ら計約440人が黙とうした。

夫保男さん(当時54歳)を失った伊藤ひろ美さん(54)=長野県東御市=が遺族を代表してあいさつし、「残された者たちで励まし合い、犠牲者の命を生かすために山の安全対策を進め、元気で生きていく覚悟です」と述べた。

出席した山谷えり子防災担当相は「政府一丸となって、大きな悲しみを繰り返さないよう観測態勢の充実、火山防災協議会による避難計画やシェルターの整備が進むように頑張っていきたい」と述べた。

夫直樹さん(当時41歳)と共に犠牲になった増田睦美さん(当時42歳)の母きみ江さん(65)=静岡県御前崎市=は「2人の分も頑張って生きていきたい」と話していた。


(毎日新聞より)
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死者・行方不明者63名を出した2014年9月27日の御嶽山噴火から1年。
火山噴火の規模としては必ずしも大きくなかった(1991年雲仙普賢岳噴火の1/400程度とされる)が、山頂に最も人が多い時期の最も人が多いであろう時間、さらに好天という最も人が多い条件で発生したことにより、死者数では戦後最大の火山災害となってしまった。

この災害を受けての教訓や課題は数多くあり、報道や専門家からもさまざまな情報が発信されている。
また日本が火山国である以上、同種の災害は今後も覚悟しなければならないだろう。
しかし対策はといえば、なかなか進んでいないのが現実だろう。

災害への対応については、ハード面とソフト面に分けて考えるのが一般的だ。
もっとも、火山災害の場合ハードで対応するにも限度がある。
できるとしても避難小屋・シェルターの整備が精いっぱいだろう。
御嶽山の場合は風雨を逃れる程度の木造避難小屋はあっても、噴石を想定したコンクリート製のシェルターはなかった。
しかし全国の火山の登山道の随所ににコンクリート製シェルターを設置することが現実的とも思えない。
当然景観にも影響する話だ。

ソフトの部分でいえば、どうしても噴火予測が前提となってしまいがちだ。
昨年の御嶽山の場合、明確な前兆を捉えられなかった(あるいは前兆と判断できなかった)ことがこの災害の要因の一つだが、すべての噴火に明確な前兆現象があるわけでもなく、突然の噴火はなかなか防ぎようがない。

つまるところ、火山というものを理解するほかない。
噴火の規模と災害の規模が必ずしも比例しないことはもちろん、ひと口に噴火といっても溶岩流・火砕流・噴石・火山灰・岩屑なだれ・土石流・火山ガスから山体崩壊などさまざまな被害事例があること、最低限身を守るためにできることなど、多くのことを学んだ上で自らの判断力をつけること。

そして火山には恩恵もたくさんあること。
美しい景観や温泉など、私たちはその恩恵を受けていることも知っておきたい。

ある程度火山というものを理解した上で、火山と上手に付き合っていくこと。
結局のところそれしかないのではないか、とも思うのである。





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Last updated  2015.09.28 02:07:51
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