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2015.10.08
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カテゴリ:地図
大雨による河川の洪水被害が予想される浸水想定区域がある茨城県内42市町村のうち10市町は、災害対策本部を設置する役場が最大で5メートル以上、最小で0・5メートル未満の浸水想定区域内に立地していることが、読売新聞の取材で分かった。
9月の豪雨災害では、10市町の一つ常総市で災害対策本部があった市役所本庁舎が浸水し、一時孤立する事態になった。10市町には代替施設の確保や施設の改良、近隣自治体との協力など水害への備えが改めて求められている。

近くを流れる河川が氾濫した際、災害対策本部を設置する施設が浸水想定区域内にあるのは、土浦、古河、常総、常陸太田、稲敷、つくばみらい、大子、河内、五霞、境の10市町。想定される水深は、5メートル以上が境町、2~5メートル未満が土浦、五霞の2市町、1~2メートル未満が常総、大子、河内の3市町、0・5~1メートル未満がつくばみらい市、0・5メートル未満が古河、常陸太田、稲敷の3市となっている。

浸水への備えで目立つのが、災害対策本部を別の場所に設置する対応だ。境町は庁舎が使えない場合、利根川から、より遠い文化村公民館に災害対策本部を置く。庁舎は5階建てだが、非常用電源設備は地下にあるため、浸水すれば災害対策本部の機能を失う可能性がある。

古河市や常陸太田市、稲敷市、つくばみらい市、五霞町も、別の場所にある庁舎などへの移設を予定している。同町生活安全課の担当者は「町役場が水没したら、学校、公民館の2階や3階に設置を検討したい」と話す。河内町は利根川が氾濫すれば、町役場を含む町内のほぼ全域が浸水するおそれがある。同町は「水害に備えて、近隣の自治体との協定を考えている。その中で災害対策本部の取り扱いも考えていく」としている。

一方、施設の改良などを進める自治体もある。土浦市は9月、JR土浦駅前の商業ビルを改修した新庁舎に移転した。桜川の浸水想定区域内にあることから、ビル改修の際、元々1階部分にあった非常用電源を中6階の屋上部分に移した。常総市役所の事例を教訓にして、旧庁舎近くの公園駐車場などに備蓄する緊急物資を庁舎内へ移すことを検討している。

大子町は、庁舎敷地内の高台に非常用電源設備を設置している。敷地内には排水用ポンプもあり、敷地内への浸水が始まると、自動で排水を開始する仕組みを整えている。稲敷市は来年5月に浸水想定区域ではない高台に新庁舎を建設し、災害対策本部を置く計画だ。

逆に水戸市では、建て替えを予定している新庁舎の建設地が浸水想定区域にある。市地域安全課は「0・5メートル未満の浸水が想定されている。地盤を1・5メートルかさ上げするなどして対策を講じる」としている。


(読売新聞より)
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9月の豪雨での常総市の印象が強いが、市町村役場が冠水して災対本部が機能しなかった例は過去にもある。
覚えているところでは、2004年の新潟・福井豪雨の際の当時の中之島町役場(新潟県・現長岡市)や美山町(福井県・現福井市)の例か。
いずれも河川沿いの低地に庁舎があり、こうした条件の役場は全国に相当数あるはずだ。

業務の多くの部分をコンピュータに依存している昨今は、これまでにもまして災害時の行政機能は脆弱になっているともいえる。
電子機器は水に弱いし、災害時には電源の確保も非常電源頼みになりやすい。
多くの場合電源施設は地下にあるため、冠水時には真っ先にやられてしまうという問題もある。

手っ取り早いのは、電源施設や核となるコンピュータ・サーバ等を上の階に移すことだが、日常の住民サービスを考えればそう簡単には行かない。
現実的には災対本部を役場にとどめず、他の施設を利用するやり方が賢明。
ただし住民関係の書類や防災関係のデータ等は事前に用意しておかなければならない。

また、嵩上げで対応するケースもあるようだが、盛土は豪雨時はともかくも地震時にはかなり不安。
やはり周辺市町村との連携による広域対策がもっとも早道であるように思う。
特に水害の場合は流域が大きな単位になるので、その中での連携や役割分担を決めておくことも一つの方法。





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Last updated  2015.10.08 02:35:24
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