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カテゴリ:災害・防災
徳島県と徳島大などは、大地震や津波が起きた際、道路の通行規制や避難に関する情報をカーナビから運転する人に知らせるシステムの開発を始める。事前の被害推計と民間が提供する実際の被害情報をデジタル地図に照らし合わせ、通行できない道を把握。現在地に出ている緊急情報を加え、避難や災害支援に役立てる。
東日本大震災では、運転中に大津波警報を把握できず、沿岸部で犠牲になった人も多かった。夜間に災害が発生すれば、道路被害の全容を明るくなるまで把握しにくく、行政の対応が遅れることも懸念される。 今回開発するシステムは、徳島大が震源地や地震の規模から約100通りの被害推計を作り、通行できなくなる道路を予測しておき、地震が発生すると近い推計を選ぶ。車載カメラが撮影した被災道路の画像を情報化し、実際に通行できる道をデジタル地図で確認できるようにする。 Lアラート(災害情報共有システム)を活用して、インターネットなどで緊急情報をカーナビが入手し、文字や音声で運転する人に通知する。 県は徳島大や民間と連携して、年内にシステムを試作し実証する。大雨災害も気象庁が発表している雨雲レーダー情報から土砂災害の危険を判定し、カーナビへの配信を目指す。 総務省の委託事業で、県の一般会計9月補正予算に事業費5000万円が盛り込まれた。県の防災を担当するとくしまゼロ作戦課の坂東淳課長は「発生時の避難だけでなく、救急支援や支援物資の輸送に携わる人にもカーナビで配信して役立てたい」と話している。 (毎日新聞より) ------------------------------ 徳島県は南海トラフ地震が発生すれば沿岸に津波が押し寄せることが想定されている地域であり、対策は急務とされている。 東日本大震災時にはさまざまな情報が錯綜する中で、多くの運転中のドライバーが津波の襲来や規模を把握できなかったことで被害に遭っている。 中にはわざわざ海岸近くへ向かって車を走らせた例もあり、トライバーにいかに情報を伝えるのかは課題の一つになっている。 津波時に車で避難することについては原則好ましくないが、地域によっては(あるいは要援護者の避難のためには)やむを得ないとする意見もあり、さまざまな議論がされている。 加えて実際に走行中の車をどうするのかとなるとなかなか難しい。 そもそも車の現在地が津波に対してどれくらい危険なのかについては、(よほど土地勘がない限り)ドライバーはほとんど把握できていない。 記事のシステムは被害状況を伝えるもので、想定される津波の情報についても(触れられていないが)当然重要な位置づけになるはずである。 また、豪雨時の冠水や土砂災害等についても同様で、こうした情報をいかに早く的確にドライバーに伝えられるのかは被害を左右する大きな要素になる。 災害時の走行車の避難のあり方を考える際の貴重な素材にもなりそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.10.25 01:15:04
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