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２０１３年９月の台風１８号で浸水被害を受けた京都府福知山市石原（いさ）地区の住民３人が３０日、浸水被害の危険性が高い地域と認識していたのに説明や過去の水害の情報提供を行わず造成地を販売したとして、市に修繕費や慰謝料など計２千万円の損害賠償を求め、京都地裁に提訴した。

訴状などによると、３人は、市が土地区画整理事業で石原地区に造成した土地を市や不動産業者から０９～１０年に購入。ところが台風１８号で由良川や支流が氾濫し、それぞれ自宅が床上浸水した。同地区は０４年の台風２３号などで浸水被害があったが、販売時に告知はなかったという。

市内で会見した原告らは市の対応を批判した。築１年半の自宅が床上７０センチまで浸水した原告の山岡哲志さん（３９）は「購入時はハザードマップ（被害予測地図）の提示はなかった。不都合なことを隠した売り方だ」と主張した。台風１８号禍で当時１～５歳の子どもと一緒に２階に逃げ、ボートで救助されたことを振り返った。

原告の１人、居合克樹さん（３７）は「ハザードマップは配られていたと思うが家を建てる前に行政から危険であることをきちんと伝えてほしかった。今も雨のたびに不安だ」と話した。弁護団長の小川達雄弁護士は「由良川の遊水地を宅地として造成した。裁判を通じて福知山市に住民の住居の安全を図る施策の推進を求める」と意義を語った。

福知山市は「今後訴状が届けば内容を精査して対応していきたい」とのコメントを出した。

市は市全域のハザードマップの全戸配布やホームページ掲載を０６年度から行い、転入手続きの際にも配っている。造成地の販売担当部署が変わった１２年からは売買契約の際にマップを示しているという。

（京都新聞より）
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浸水の損害賠償訴訟だが、これは各方面に影響が大きそう。
というのも、新興住宅地はこれまで使っていなかった土地を使うことになるため、リスクが小さくない土地が利用されるケースが多いからだ。

地形分類でいえば河川沿いの自然堤防は既に集落があるため、空いている土地を求めれば後背湿地や旧河道を使わざるを得ない（盛土されるのが一般的）。
こうした土地は浸水の可能性はもちろん、地震の際にも揺れが大きくなりがちで、液状化の可能性もある。
丘陵地を平たん化して住宅とするケースもあるが、この場合でも切土地はいいが谷を埋める形で形成される盛土地は地すべり等のひがいを受けやすい。

今回の訴訟の結果次第では今後住宅開発のあり方や売り方に影響が出ることになるだろう。

その一方で、住民側もハザードマップがありながら見ていなかったというのは軽率だったと見られる可能性がある。
市としては「ハザードマップを配布・公開しているのだから告知したことになる」という言い方をするのではないか。

こうした問題は売り手買い手の双方が万全の注意をする必要がある。
個人的にはどこに住もうが個人の自由だと思うが、土地の性質を知って（コストとの関係をを認識したうえで）住むのと無知なまま住むのではまったく意味が違う。

土地の性質と災害の関係については現段階では啓発がまだまだ足りていない。
せめてハザードマップの意味は知ってもらわないと。