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2016.02.29
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カテゴリ:災害・防災
「世界津波の日」制定を記念し「稲むらの火」テーマに講演(紀伊民報)

関西大学の河田恵昭教授が、和歌山市行われた国連の「世界津波の日」制定を記念するイベントで講演したという記事。
「世界津波の日」は「稲村の火」(江戸末期の安政南海地震が発生し津波が襲来した際に、和歌山県広村で浜口梧陵が自らの田んぼで収穫した稲束に火を放ち、村民を高台に誘導した故事)にちなみ、安政南海地震が発生した11月5日(実際には旧暦)に制定された。

浜口梧陵はヤマサ醤油の7代目という実業家でもあるが、稲むらに火を放って村人を避難させたばかりでなく、津波で被災した村民のために、救援家屋の建設や農漁具の調達などを行って離村を防止したほか、再度の津波被害を防止するため、私財をはたいて大防波堤の建設を進めたことでも知られる(この防潮堤は史跡に指定されている)。
防潮堤の建設にあたっても村人を雇うことで経済的復興にも貢献している。

こうした梧陵の行動は多くの人の感動を呼び、「稲むらの火」は後に小学校の教科書に採用されることとなった。
現在では光村図書の5年生の国語の教科書に「百年後のふるさとを守る」というタイトルで紹介されている(著者は河田教授)。

紀伊半島は遠くない将来発生するとされる南海トラフ地震の際に津波の被害が心配されている地域であり、津波到達までの時間も短い。
迷いなく高台へ避難するためにも、防災意識は重要で、郷土の話でもある「稲むらの火」を通じて子どもたちの防災教育ができれば一番いい。

そしてもちろん「世界津波の日」が制定された以上は、「稲むらの火」や「てんでんこ」など、津波についての経験値を世界にも教訓として伝えていくことが日本の役割でもある。





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Last updated  2016.02.29 03:16:52
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