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カテゴリ:災害・防災
山梨県南アルプス市のケーブル3社、市内全域へ災害情報を主としたデータ放送を開始~メディアキャスト製システム共有によるコスト削減と共に、行政主導の効率的な情報伝達を実現~(メディアキャストプレスリリース)
白根ケーブルネットワーク、富士川シーエーティーヴィ株式会社、有限会社峡西シーエーテーブイの3社は、南アルプス市の主導で、3局共有で利用するデータ放送システムとして、メディアキャストの統合型データ放送ソリューション「DataCaster M3(データキャスター エムスリー)」を導入する。 今年9月から試験放送を、同10月から本格放送を開始する。 南アルプス市では2014年の豪雪の際に、市内全域で農業用施設や車庫等の倒壊、交通網やライフラインの寸断、さらには路面凍結による事故など大きな被害を受けた。 同市ではこれまで、降雪情報、交通情報、除雪状況や学校情報、避難施設などの状況を、防災行政無線などを使って市民に呼びかけていたが、窓を閉め切っている状況などでは防災行政無線が聞こえづらいといった問題があり、情報が十分に住民に伝達されないといった問題が指摘された。 多くの市民に必要な情報をタイムリーに届ける方法を模索した結果、市内の世帯の約90%が接続しているケーブルテレビに着目、地域での成功事例も参考にして設備導入を決定した。 今回導入された「DataCaster M3」は、市から配信される情報を一元化して3局へ効率良く配信する設計となっており、導入運用コストや、運用負荷が大幅に削減されている。 さらんいデータ放送と同時に南アルプス市のスマホアプリも提供を開始し、外出先でも情報にアクセスできるようになる。 データ放送サービスでは、地域に密着した情報の他、市内各地に設置されたライブカメラや道路監視カメラの画像、気象ロボット、山梨県雨量、河川水位情報などから地域気象データを取得して配信する。 防災無線のあり方についてはこれまでも盛んに議論がされていたが、東日本大震災の際に「防災無線が聞こえなかった」という課題が明確になり、その後もさまざまなケースで情報伝達手段としての限界も見えつつある。 もちろん普及率が高いからといってケーブルテレビが万能と言わけではなく、要は複数のアプローチで情報を伝えることが求められていると考えるべきだろう。 比較的低コストでこうした仕組みが構築されること自体は歓迎すべきことで、導入した以上は有効に使われることに期待したい。 そのためにも、住民への周知はもちろん、平時から災害時の情報伝達手段として意識してもらうことも必要。 また、どういう情報の出し方をするのか、情報の「中身」についても議論されるべきだろう。 防災無線とデータ放送では当然伝わり方が異なる。 まったく同じ内容で伝えても受け止められ方には差異があるはずで、そのあたりは訓練も含めた検証が不可欠ではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.07.26 01:23:43
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