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カテゴリ:災害・防災
釧路湿原がダム、市街地浸水防いだ 自然の貯水効果で河川流量抑える(北海道新聞)
北海道では相次ぐ台風や前線に伴う大雨が続いて各地で被害が出ている。 釧路川水系の新釧路川でも水位の高い状態が続いていたが、8日夕に氾濫注意水位を下回った。 釧路開発建設部によると、水位が大雨の降る以前のレベルに戻るには、なお1週間程度かかる見通しという。 水位が戻るのに時間がかかるのは、釧路湿原が雨水を一時的に貯留し、その後で水が少しずつ河川に流れ出ることによる。 いわば釧路湿原が天然のダム、あるいは遊水地の役割を果たしていることの裏返しでもある。 雨が続いたことに伴い、新釧路川では氾濫注意水位を越え、一時は避難判断水位まで1mと迫ったものの、河川敷にあるサッカー場などが水没する事態はなかった。 釧路開建治水課では、8月下旬以降の降雨と河川流量のデータを解析、降水のピークから3日ほど遅れて河川水位がピークを迎えたことから、釧路湿原や屈斜路湖など上流部の湖の貯水機能によって河川流量が抑えられたことで、市街地に被害が出るような氾濫が起きなかったとして、自然の遊水効果を強調している。 気象庁が釧路・根室管内に設置している26の観測地点では8月の月間降水量が観測史上最高だったが、他の地域に比べると大きな被害に結び付いていないのは、釧路湿原が果たす遊水効果の貢献が高いと見られる。 治水のあり方の一つとして、遊水地を設けることが効果的であることはよく知られている。 武田信玄の信玄堤(いわゆる霞堤)なども同じ理屈だ。 実際、かつては遊水地、あるいは洪水時に遊水効果がある湿地や水田等は各地にあった。 しかし都市への人口集中によりこうした遊水機能を持った場所も住宅地に充てられるようになり、治水は堤防とダムへの依存が進んだ。 釧路川の場合は上流が国立公園域で遊水地としての湿原が守られていることが大きい。 人工的な調整池以外に洪水時に水を逃がす場所がなくなったことで、氾濫等による水害に脆弱な地域が増えたことは事実だろう。 であればこそ、ハードが限界を越えた時のソフト対策がょり重要性を増しているともいえるのではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.09.11 01:33:21
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