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2016.09.21
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カテゴリ:災害・防災
ハザードマップ 小学生が自分で作れるアプリを開発 東京都市大学(ハザードラボ)

東京都市大学知識工学部の岡誠講師らのグループが、地図を見ることに不慣れな小学生向けに自らハザードマップを作成できるアプリケーションを開発したという記事。
アプリケーションはタブレット用で、小学3年生から6年生の各学年に合わせて段階別に理解力を深めることを目的とし、防災をテーマにした授業や避難訓練を対象に、街を歩きながら地図と実世界を対応させて、危険な場所や防災情報を写真やコメントで書き込む仕組みとなっている。

文科省の学習指導要領で小学生のうちから防災や安全教育が重視されていながら、災害時の避難地図は大人を対象にしたものが一般的であることから開発したとのこと。

防災地図は作る過程が「学びの機会」として重要であることから、「見る」より「作る」方が防災効果が高いことは既に多くの事例から明らかになっている。
その点でいえば、子どもたちに自らの視点で防災マップを作らせることは貴重な学習体験になるだろう。

一方で、こうしたアプリで学べるのはあくまでも地図の作り方である。
ツールの目的は現実世界と地図を結び付ける力を養うことと考えるべきで、防災リテラシーを学ぶのは実際にはこのアプリとは別の話になるはずだ。

子どもたちが街を歩きながら危険な個所を自ら考えていくことは大事な学習機会であると同時に、子どもたちが感じたり理解できたりすることには限界もある。
大人がきちんと教えてあげなければいけないこともたくさんあるのだ。
そういう意味では、こうした活動においては、子どもたちを指導する教員側にも相応のリテラシーが求められることになる。
ところが現状でも学校における教員の負荷は大きく、リソース的に決して余裕があるわけではない。
その中で防災において子どもたちを指導するリテラシーを身につけていくことは机上で考えるほど簡単ではないことも考慮した方がいい。

記事にケチをつける意図はないが、「ネットの情報と現実世界との違いを考えるITリテラシーを身につけ」ることは、必ずしも「災害時に安全確保できる知恵につながる」わけではないということは認識しておいた方がいいのではないか。

子どもたちが使える便利なツールが開発されるのはいいことだ。
しかしそれはあくまでもツールに過ぎない。
それをどう活かすのかは周りの大人たちにかかっている。

ハザードマップは決して小学生が読めない地図ではない。
最終的には大人用の防災地図を子どもたちがきちんと読めるようにしていくことも必要だろう。






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Last updated  2016.09.21 01:13:35
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