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2017.02.01
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カテゴリ:地図作成
自治体の「命名権ビジネス」、税収確保と住民合意のどちらを優先すべきか(ソフトバンク ビジネス+IT)

公共施設に企業や商品の名前を付けるネーミングライツはすっかりおなじみになったが、この「命名権ビジネス」をめぐって、自治体が資金調達を重視するあまり住民との合意形成がないまま進められているケースが目立つという指摘。

確かにそれは感じることもあるが、要は対象と程度の問題なのかと思う。
日本で最初のネーミングライツは、2003年の東京スタジアム→味の素スタジアム。
自分にとっては地元のスタジアムともいえる場所なので、正直違和感があった。

しかしながら、スタジアム自体のオープンが2001年と比較的新しかったこともあって、多くの人にとっては「東京スタジアム」という名称に馴染む前に「味の素スタジアム」という名称が普及していることや、その後スポンサーが変わっていないこともあって、ネーミングライツであるという感覚は薄いのかも知れない(そういう意味ではスポンサーにとっても成功例なのだろうが)。
続く横浜国際総合競技場→日産スタジアムも大きな抵抗はなさそうだ。

その後多くのスタジアムがネーミングライツを採用することとなり、スポーツの世界では一つの常識として定着しつつある。
ただ、スポーツ施設以外ではまだ違和感が残る。

その最たる例が、2007年に箱根ターンパイクがTOYO TIRES ターンパイクとなったことか。
これは公共の道路でなく、私営であったことも大きいが、さすがに道路の名前に企業名が入るのはなかなか慣れなかった。
ちなみに現在の名称は「MAZDA ターンパイク箱根」である。

引用した記事では、動物園の休憩所や公衆トイレといった、小さな施設に対してネーミングライツを採用している例が紹介されているが、はたして(企業にとっての)導入効果はいかほどのものなのだろうか。
また、大阪府が歩道橋、橋、トンネルなどを対象としていることも紹介されているが、なかなか買い手がついていないように効果がいまひとつ計りきれない。
さらに、大阪市では港湾局が保有する岸壁、待合所、防潮堤、歩道橋など港湾施設の命名権売却を始めているという。

なかなか歯止めがかからない状況だが、このあたりは企業側の判断もあるので、実際に採用されるのかどうか(買い手がつくのかどうか)も微妙だ。
そういえば以前国交省が海岸名を売りに出すという話があったがその後聞かないのでやはり断念したのだろうか。

企業にとっての広報効果はスポーツ施設であれば、試合やニュースなどで名前が露出するという意味で計算しやすいが、道路などの施設ではそこまでの効果は期待できない。
あるとすれば、「地図に載る」という点だろうか。
それでも道路や海岸、橋、トンネルなどはともかく、休憩所や公衆トイレでは地図上に注記される可能性は低い。

地図をつくる立場からすると、ネーミングライツでスポンサーがコロコロ変わる状況はなかなか厄介でもある。
もし日本中の地物がネーミングライツになったら、地図の更新での労力は非常に大きくなるだろう。
その一方で、その頻度で更新される分だけ地図が売れてくれるならそれも悪い話ではないな(笑)

実際のところ、今はWeb地図で即時更新が求められるじだいだから、やはり地図屋にとっては労多くして実入りの少ない話になりそうで。





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Last updated  2017.02.01 16:26:01
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