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カテゴリ:災害・防災
小・中学校版防災教育補助教材「3.11を忘れない」【平成28年度】(東京都教育委員会)
東京都教育委員会は、首都直下地震等に備え、防災教育の充実を図るための防災教育補助教材「3.11を忘れない」【平成28年度】を作成・公開した。 教材は小学校版と中学校版があり、それぞれPDFをダウンロードすることができる。 教材の内容は小学校版が「知って」「備えて」「守って」「明日へ」、中学校版が「知っておこういろいろな災害」「大災害への準備と対策」「その日に備えて 〜自助・共助の心〜」の章建てで構成され、災害への備えばかりではなく、3.11はもちろん、過去の災害についてさまざまな事例が記載されていたり、自助・共助・公助について触れられていたりとかなり踏み込んだものになっている。 特筆すべきは新聞等を活用しながら、正しい情報収集と適切な情報活用について考える記述があるなど、災害情報についての考え方にも言及があることだ。 また、百人一首など古典文学や災害記念碑などを例に挙げて、災害を伝承することの重要性について(先人の残した教えを受け止めることも含めて)もきちんと記載されている点は好感が持てる。 わかりやすさだけでなく、小中学生の被災者~のメッセージも含め、全体にバランスがとれた優れた教材になっている点は評価できる。 問題はこれをどういう形で実際の教育の現場で使っていくかという点だろう。 小学生は5~6年生、中学生は2~3年生の国・社・理・体・家・道徳・総合・特活などで教科横断的に活用できるつくりにはなっているが、実際に教科横断的に防災教育を行うとすれば、それぞれの科目の指導計画の中にあらかじめ組み込んでおく必要があるだろうし、すべての教科の教員にそれなりの意識やスキルがあることが前提となる。 上手く生かすためにも、それぞれの科目の中に防災教育的な内容を組み込んだプログラムを考えていく必要があるのではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.05.10 00:26:25
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