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カテゴリ:地図
一昨日、昨日と日吉の慶應義塾大学で開催された地図学会定期大会に参加した。
会場の慶應義塾の来往舎は慶應らしい洗練されたとても立派な施設で、外の暑さを忘れる快適さだった。 (むしろ寒かった) 大会は例年以上にオープンな顔ぶれで、色々と新しい空気に触れたような気がする。 9日の特別公演は慶應義塾の神武直彦准教授と東大の石原あえか教授。 神武さんは業界ではお馴染みだが宇宙関係(ロケット、衛星、測位等)の専門家で、みちびきの打ち上げが迫る忙しい中での講演だったが、高精度測位時代の地図への期待について話した。 石原さんはゲーテの研究者。 ゲーテと地図?というのは多くの人が思ったはずだが、そこから面白いように地図や測量につながっていく。 石原さん自身も測量への造詣が深く、そのことにも驚いたが、ゲーテから始まり、測量を通した日本とドイツの不思議な縁にたどり着く、ミステリーツアーのような面白い講演だった。 最後のおまけの話で、あのメルカトルが実はドイツ人?という展開も興味深かった。 石原さん曰く、地図関係の人はドイツに行くならデュイスブルクとドルトムントは外してはいけないとのこと。 シンポジウム「地理必修時代の地図」もなかなかよかった。 伊能社中の田村賢哉氏をオーガナイザーに、地理教育に携わる様々な立ち位置の登壇者が揃った。 特になかなか知る機会がない小学校や中学校の地図教育の現場は興味深くも、地図関係者にはなかなか頭の痛いものだった。 登壇者が多く、やや欲張り過ぎの感は否めなかったが、問題提起としては有効だったのではないだろうか。 高校のGIS導入も含めた地理必修化については局所的な議論が多くなりがちだが、小学校からシームレスで考えていくことが大事だと改めて感じた。 懇親会に続いて外が暗くなったところで大型の東京の地形模型に様々な情報を投影するプロジェクションマッピングの実演があった。 ネタが豊富な人たちが集まっているだけに朝まで続く勢いだったが、頃合いを見てこの日は解散。 10日も興味深い話が次々と出てきたが、目玉は特別セッション「デジタル標高地形データが生んだ凸凹散歩ブーム」。 スリバチ学会や高低差学会は地図の専門家ではないが、地図の使い手として地図学に貢献している。 逆にいえば彼らの人気に引っ張られる形で地図に接する人が増えているわけだ。 こうした有意義な活動をどうやって地図学というアカデミックな領域と繋いでいくのかという点で興味深い議論だった。 さて本日はこれから巡検「水際から見る東京の川と地形」であります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.11 10:20:50
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