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2017.08.29
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カテゴリ:地図
朝からJアラートが鳴り響き、日本列島、とりわけ関東以北では驚愕の朝を迎えた。
北朝鮮から発射されたミサイルは北海道の上空を通過して襟裳岬の東1180kmに落下したとされる。
上空500km近い高度で通過しているので「日本上空」という認識は実はかなり微妙だが、我々の頭の中にある2次元の世界地図上ではやはり「日本上空」ということになるのだろう。

また、我々の脳内にある世界地図は、多くの場合学生時代の地図帳の巻末の世界地図が刷り込まれており。メルカトル図法やミラー図法など円筒図法系のものであることが多い。
そのせいかどうかは不明だが、ミサイルの件を報道するニュース塔でも盛んに地図が使われたが、中にはメルカトル図法とおぼしき地図に同心円や直線の軌道を描いて解説しているものもあった。
もちろん、これは不適切な示し方ということになる。

メルカトル図法でそのまま直線を引くと、北朝鮮から北海道を通過したミサイルはアラスカ方向へと飛んでいくことになる。
一方、正距方位図法で描かれた本来のコースではミサイルはむしろハワイの方向へ発射されたいたことがわかる。


<「どこでも方位図法」より>

こうした地図の不適切な使われ方に関する問題は、今回のミサイル騒動に限らず以前から見られた。
地図の専門家で富士山博士としても知られる田代博氏(日本地図センター)はことあるごとにそれを指摘してきたが、なかなか改善されないのが現状だ。

その大きな要因の一つが、我々の脳内に円筒形図法の世界地図が刷り込まれていることにあるのではないか。
本来図法については学校でも習っているはずで、こうしたケースでは正距方位図法を使いましょうということは理屈ではわかっていても、正距方位図法で表現される世界の形に多くの人が違和感を覚えることもまた事実だろう。
これは世界観の問題ともいえる。

とはいえ、事実を正しく理解するためには適切な地図を使用することが必須であり、報道の皆さまにも強くお願いしたいところではある。





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Last updated  2017.09.03 00:18:31
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