国土地理院の地殻変動図などでスケール表示に誤り
地殻変動資料の背景図のスケール表示の誤りについて(国土地理院)国土地理院は、ウェブページに掲載している地殻変動ベクトル図や基線図について、スケールの表示に不正確なものがあることがわかりましたとしてホームページのお詫びを掲載した。原因はソフトウェアの不具合で、本来であればスケール目盛りが背景図の緯度に応じて変化しなければならない(赤道を離れるほど長く)ところを、赤道と同じ長さのまま表示されてしまっていたとのことで、北海道では本来の長さに比べて3割程度短かった。不具合を含む図は今後順次差替えられる。不具合のあった図はこちらに一覧が掲載されている。問題があったのは主として地殻変動などを示す図で、間違っていたのはスケール目盛りだけなので、内容自体には特に影響はないし、おそらくほとんどの人が気づかないだろう。とはいえ(他の機関ならともかく)国土地理院としてはして欲しくないミスでもある。Googleマップや地理院地図など、Web地図はシームレスなうえ拡大縮小が自在なこともあり、本来地図の重要な要素である「縮尺」が、最近はどうしても忘れられがちになっている。このあたりは教育現場などからも指摘があるのだが、ディスプレイ上の地図では縮尺を意識するのはなかなか難しいし、実際にスケール目盛りがあってもあまり意識しないで見ていることが多いのも事実だろう。加えてメルカトル図法の世界地図などは、ひとつの地図でありながら緯度によって縮尺が異なるという曲者(通常は赤道上の縮尺を表示することが多い)。また、昨今の地図作成はどうしてもソフトウェアに依存しがちで、今回のような間違いに気づきにくいことも確か。気をつけなければと思う。