アルビレックス新潟×ガンバ大阪
今期負けが無いガンバ大阪と、3連勝を狙うアルビレックス新潟。序盤は、というか、試合全体を通じて、個人技とチーム戦術に優れるガンバ大阪がボールポゼッションを高め、新潟を押し込む。だが、3万人を越えるサポーターの声援を背に、新潟も豊富な運動量でピッチを走り回り、ガンバ大阪のボールホルダーにプレッシャーをかける。しかし、その新潟のプレッシャーをかいくぐり、大阪が先制点を奪う。前半43分、波状攻撃の流れから、右サイドに出たボールを誰かがクロス、ペナルティエリアに走り込んだ遠藤がダイレクトで叩くと、雨ですべったかGK北野が痛恨のトンネル。ボールはころころとゴールラインを割った。このまま前半が終了するかと思われた前半ロスタイム。マルシオリシャルデスがペナルティエリアで相手に引きずられながらもボールをキープ、後から猛然と走り込んできたシルビーニョにラストパス。シルビーニョが放ったシュートは鋭く地面を滑り、これまたGK松代のファンブルを誘って新潟が追いついた。後半は攻める大阪、守ってカウンターを繰り出す新潟、という形で膠着状態に。ついにじれた西野監督が播戸を投入、3トップにして圧力をかける。しかし、それでも新潟の守備は最後まで破綻しなかった。そして迎えた後半37分。ガンバ大阪に一瞬のスキが生じた。新潟は意表をついたショートコーナーで大阪の守備をゆさぶり、クロスを上げると、逆サイドで待ちかまえていた千代反田がヘッダーで中央に折り返すと、待ってましたとばかりに矢野 貴章が頭で押し込んで、新潟が貴重な追加点を奪った。時間は十分に残っていたが、新潟の運動量は最後まで落ちず、エジミウソンのさすがのボールキープ等を使ってロスタイムまで消化、見事ガンバ大阪を破って3連勝を達成した。特に優勝もJ2降格もかかっていないのだが、どちらのチームからも必死さが伝わってきた好ゲームだった。特筆すべきは主審の吉田さんのジャッジ。普通、そこで吹くだろうというところでも流すので、試合がなかなか切れず、実にスムーズに進行していたと思う。両チームともわりとフェアにやっていたし、悪質と思えるファウルにはしっかり黄色出していたし、第3者でみた限りではナイスジャッジだと思った。